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[ツリガチ!(第21回)]東京湾のタチウオジギング

隔週刊つり情報編集部

ヨッシーこと吉岡進がエサ、ルアー釣りを問わず、様ざまな釣り物にガチでチャレンジしていく連載「ツリガチ!」。

第21回は東京湾のタチウオジギング。

1月下旬に釣行したのは東京湾奥長浦のこなや丸。

進藤通孝船長が最初に船を向けたのは猿島沖の水深50m前後。

反応は底付近に固まっているものの、群れの中には活性の高いタチウオがいて底上10mまでジグを追ってくるという。

1流し目から当日最大134cmが上がると、100cmオーバーのタチウオが次つぎにヒット!

ヨッシーも126cmのドラゴン級を釣り上げて幸先のいいスタートを切る。

やがてアタリが遠のくと、走水沖の水深60~70m前後へ移動。

到着するとすでにタチウオ船団が形成されており、銀色に輝く刀のような魚体が取り込まれているのが見える。

底から10mの指示ダナで再開。

潮が動き始めるとタチウオの活性が高まり、100cm級を中心に120cm級が顔を見せる。

ヨッシーは大型の実績が高い、波動を弱めたアンチョビメタルTYPE-Ⅲをセット。

ジグが海中であまり飛び跳ねないように誘う。

そして小さなアタリに合わせるとフッキング、ロッドが大きく曲がった。

今回は、プロトのタチウオロッドという新たな武器を引っ提げて東京湾のタチウオに挑んだヨッシー。

プロフィール

よしおか すすむ

1982年生まれ。

ヨッシーの愛称で親しまれている。

一つテンヤマダイ、ライト系オフショアルアーを得意とする。

ジャッカルソルトプロスタッフ、シーガーインストラクター。

タチウオジギングタックル

タチウオジギングの釣り方イメージ

巻き上げは竿先を下げて細かくシャクり、ジグを跳ね上げさせないのがコツ。

慣れないうちはタダ巻きでもOK。

指示ダナの上限付近にいる魚がジグを見つけて追ってくることがあるので、指示ダナの上限からさらに10m上まで誘う。

アタらなければジグを再着底させるが、フォールでもタチウオが食ってくるのでサミングしてアタリに備えよう。

#船宿インフォメーション

東京湾奥長浦

こなや丸

0438・62・2707

備考=予約乗合、6時出船

釣行の写真

▲1投目で当日最大の134cmを釣り上げて大満足

「こんなに釣れていいものか……!?」

慣れない好釣果に、思わず顔を見合わせるツリガチ取材班。

苦戦を覚悟して臨んだ冬の東京湾タチウオジギングは、まさかのドラゴン連発!

ジャッカル・アンチョビメタルの各タイプを使い分けながらアタリを引き出し、ガチで釣りまくるヨッシーであった。

釣行の写真

▲ヒット直後、細かく頭を振るような引きを見せ、大きいかも……と思う間もなく重量感がのしかかってきた

「ジグは120gを中心に、なるべく動かないものを選んでみてくださいね」

出港前に、東京湾奥長浦・こなや丸の進藤通孝船長が言った。

進藤船長は、東京湾でタチウオを最も釣らせてくれる船長の一人。

その言葉に、ツリガチ取材班が思わず耳を傾ける。

「シャクリも必要ありません。タダ巻きでOKですよ」

動きのないジグをなるべく動かさないことが、今の東京湾タチウオジギングでは効果を発揮するようだ。

ジャッカル・プロスタッフ、吉岡進の目が光る。

ヨッシーの愛称で知られるこの男、タチウオ釣りにかけても天下一品の腕前の持ち主である。

ジグ選びの眼差しがひときわ真剣味を増している。

1月27日、6時7分。

エメラルドグリーンが特徴的なこなや丸が長浦港を離れた。

どんよりとした曇り空。

冷たい風。

暗い緑色の海にギラリと輝くタチウオが潜んでいるかと思うと、期待に胸が高鳴る。

その期待は、裏切られなかった。

それどころか、期待を大きく上回るオープニングとなったのである。

7時半、猿島沖の水深50m前後で釣りが開始されるや、ツリガチ取材班が釣り座を構えた右舷とは反対側、左舷ミヨシのお客さんのロッドがいきなり大きく曲がった。

かなり強い引きだ。

いつもかしましいツリガチ取材班が「おお~っ!」と叫び、船中の注目が集まる。

落ち着いたヤリトリの末に上がってきたのは、なんと指幅7本級、134cmのドラゴンだった。

その口元には、ジャッカル・アンチョビメタルTYPE‐Ⅰ。

タチウオジギングのベーシックモデルで、リアバランスで速いフォールスピードを特徴としている。

ポイントに到着した直後、1投目からいきなりのドラゴン登場である。

これはまさかの緊急事態。

こなや丸は色めき立ち、かじかみつつリールを巻く手に力が入る。

いきなりクライマックス !? 指幅6本級のドラゴン降臨

そのわずか5分後、「あっ……」と弱よわしい声を上げたのは、ツリガチ取材班のライター、タカハシゴーである。

「んっ……? あれっ? バレちゃったかな……」竿先を眺める不安げな表情。

リールを巻く手から力が抜け、巻きスピードが遅くなっている。

「付いている付いてる、巻いて巻いて!」とヨッシーが叫ぶ。

タチウオによく見られる、食い上げだ。

ハッとして、全速力でリールを巻くタカハシゴー。

ベイトリールから火を噴きそうな勢いで巻き続けながら、「あっ、やっぱ付いてる!」と手応えを感じたようだ。

ついさっきのドラゴンほどではないが、立派な1本を釣り上げた。

130gのアンチョビメタルTYPE‐Ⅲ。

アクションが少なく繊細な誘い上げが可能なジグを巻いている途中に、ゴンときた。

「タチウオはフッキングした後に上に向かって泳ぐことが多い魚なんだよ。手応えがなくなってバレたかと思うけど、そこでリールの巻きスピードを下げちゃいけない。ジグの重みでフックオフしちゃうからね」とヨッシー。

そう言いながら、タカハシゴーと同サイズのタチウオを釣っている。

130gのアンチョビメタルTYPE‐Ⅰだ。

その10分後、ツリガチ取材班のマスコットキャラクター、イチロウこと鹿島一郎さんが指5本を釣る。

ジグはヨッシーと同じ、TYPE‐Ⅰ。

ほぼ同時に、ヨッシーも大きくロッドを曲げた。

指幅6本級、126cmのナイスサイズだ。

「巻き上げて、クラッチを切ってフォールした瞬間に食ってきたよ」と、満面の笑みを浮かべるヨッシー。

船中のあちこちで鋭いシルバーのきらめきが見え、静かな歓声が聞こえる。

「うん、今日は釣れる」と見たヨッシーは、いったん自分のロッドを置き、左舷胴の間の釣りガールたちのもとにはせ参じた。

出港前、「ヨッシーのファンなんです」と衝撃の告白をしてくれていた二人だ。

釣りボーイとして、放っておくわけにはいかない。

本橋愛子さんと松井香菜子さんは、釣り友だち。

二人ともタチウオジギングは3回目だという。

二人の間に立ち、ヨッシーがアドバイスする。

「ジグはなるべく動かさないほうがいい。ジグが暴れてしまうと、タチウオが口を使いづらくなるからね。ロッドでアクションしようとするとジグは暴れすぎる。リールの巻きの中で緩急をつけて。巻いて巻いて、一瞬止めたときに食ってくることが多いよ」

本橋さんは、ジグをフォールさせるときに竿先が跳ねてしまっている。

ジグも暴れながら落ちているだろう。

「サミングを意識して。スプールを親指で触るか触らないかの微妙なタッチでOKだよ。……ほら、竿先が落ち着いたでしょう?」

一方の松井さんは「知人に誘ってもらって釣りを始めたのが、1年前かな。すっかりハマっちゃって、今は週一回は釣りしてる(笑)」と、手慣れた様子だ。

ヨッシーがいつも以上に丁重なアドバイスを送っている間に、ツリガチ取材班のトモキこと板倉友基さんがタチウオを1本上げ、イチロウがエイを釣った。

釣行の写真

▲当日同船したビギナー二人はヨッシーのアドバイスどおりに釣りをして見事タチウオを釣り上げた

釣りガールが釣り上がると喜びガチになるツリガチ取材班

8時を過ぎ、進藤船長はこなや丸を走水沖へと走らせる。

ヨッシーが、猿島沖でのモーニングタチウオを振り返る。

「群れはいるけど、数は多くないという印象かな。だれかが釣るともう1本釣れるけど、その後が続かないね。活性はもうひとつ、という感じ。巻きで追ってくるけど、食ってくることは少ない。フォーになった瞬間にジグにアタックしてくるケースが多いから、積極的に口を使うほど活性は高くないんだろうね。タチウオはボトムにへばりついてて、巻きに反応した個体がジグを追い、フォールの瞬間にリアクションで食ってきてるんだと思う」

これからの走水沖での釣りについては、「たたかれまくってスレてるのが多いからね~。ジグを巻く、落とすを何度も繰り返して、リアクションバイトを誘うしかないんじゃないかな」

8時35分、走水沖のポイントに到着すると、ヨッシーの言葉どおり大船団ができている。

これはタフそうだ……。

隣の船の釣り客の会話が聞こえてくるほど、船と船の間が接近している。

テンヤ、テンビン、そしてジギング。

船によって釣法は様ざまだ。

こうなると、エサを使うテンヤやテンビンに対し、金属製ルアーで立ち向かうジギングは不利なのではないか、と疑心暗鬼が生じてしまう。

だが、走水沖の水深70m前後のポイントでは、釣り開始から1時間で、ヨッシーが7本、トモキが4本、イチロウとタカハシゴーが2本ずつと、想像以上に釣れる。

周りの船を見渡しても、ジギングのほうが有利なようだ。

ヒットルアーは、動きの少ないアンチョビメタルTYPE‐Ⅲ。

「極端な動きを嫌い、リアクションで食ってくる」という、ヨッシーが言ったとおりの状況である。

そして、左舷胴の間でどよめきが上がった。

「えへへ、やっちゃいました~」と、127cmのドラゴンをぶら下げて見せにきてくれたのは、だれあろう、ヨッシーが熱心にアドバイスしていた本橋さんではないか。

「すげえ~!」

「でっか!」

「素晴らしい!」

「タチウオ、だれに釣れたらいいか分かってるね!」

大いに盛り上がるツリガチ取材班。

自分が釣るよりも、人が、とくに釣りガールが釣ることをよろこびガチな面々である。

ヨッシーのアドバイスどおり、タダ巻きに徹していたという本橋さん。

釣りガールの細指では指幅7本ものドラゴンサイズは、まさに大殊勲だった。

釣行の写真

▲指幅7本級、127cmを釣り上げて大喜び

当日のルアー船で見つけた東京湾のタチウオジギングで○○がちなシーン

形状で変わるジグの動きに着目タチウオ好みアクションを探求

だれかが釣ると、だれかが続く。

でも、それが長くは続かない。

火の手は上がるが爆発はしないという、なんとももどかしい状態だ。

「スカッとしない釣りになっちゃってるね~」と進藤船長は苦笑いする。

「いったんスイッチが入れば、群れ全体がブワッと盛り上がってもいいんだけどね……。スイッチを入れる役のタチウオはいるんだけど、それに続くヤツらが少ないな。ポツポツ拾っていくしかないね」

とにかく釣らせたいがゆえに、やや渋い表情の進藤船長だが、印象としては十分に釣れている。

途中から太陽が顔を出し、ほどよくアタリもある。

ナギの海は気持ちいいことこのうえない。

とかく苛酷な状況にたたき込まれることが多いツリガチ取材班としては、「こんないい日があってもいいのかねえ」と顔を見合わせて微笑むほどである。

その後、時折アタリが遠ざかることはあっても、飽きない程度にタチウオが釣れる。

9時半から10時40分までの1時間10分で、ヨッシーが3本、イチロウ、トモキ、タカハシゴーがそれぞれ1本ずつ追加。

この時点でヨッシー10本のツ抜け、トモキ5本、イチロウとタカハシゴーが3本ずつとなった。

サイズがいいから、数以上に満足感が高い。

「こんなにガチで釣れることもめったにないよね~」と、すでにリラックスモードである。

沖揚がりは14時。

まだまだ戦闘は続くのだが……。

それにしてもヨッシーが完全に差を付け始めている。

東京湾で最近人気のコンパクトなタングステンジグを駆使してどうにか追いすがるトモキに対して、ダブルスコアである。

実はヨッシーは、アンチョビメタルTYPE‐Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを細かく使い分けながら、状況を探っていた。

そして、早々にTYPE‐Ⅱには見切りを付けていた。

「水平フォールでアピール度が高いTYPE‐Ⅱだけど、今日は全然食ってこないんだ。やっぱりフォール時にはあまりヒラヒラせず、シュッと落ちるタイプがいいようだ。ということは、TYPE‐ⅠかⅢってことになる。その中でも、フォールスピードが速くてリアクションバイトを狙いやすいタイプ‐Ⅰにアタリが集中するね」

TYPE‐Ⅲで粘るタカハシゴーが数をのばせないのと対照的に、TYPE‐Ⅰのヨッシーがバシバシと釣る。

この日はTYPE‐Ⅰがガチ当たりジグだったようだ。

日によって、あるいは時間によって、反応するジグがまったく異なるのがタチウオの難しさであり、面白さ。

ジャッカルのアンチョビメタルに用意されている4タイプのジグは、戦略的タチウオジギングゲームを楽しむために必要なラインナップだ。

終わってみれば、ヨッシーが最大132cmを頭に圧巻の21本で竿頭。

途中、再び釣りガールのもとにはせ参じてアドバイスを送り、長時間ロッドを置いての釣果だった。

ツリガチ取材班では、トモキがタングステンジグを効果的に投入しながら10本、イチロウが14本、そして永遠の初心者であるタカハシゴーですら6本。

期待を上回るオープニングで幕を開けたタチウオジギングは、期待を上回る釣果で幕を閉じた。

その後もこなや丸のタチウオジギングは、トップ20本以上の釣果を上げ続けている。

釣行の写真

▲126cmのドラゴン級をキャッチ

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