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相模湾のコマセマダイ深場で大型の好期!!

隔週刊つり情報編集部

冬の相模湾のコマセダイは深場で大型が釣れることで知られているが、ここ小田原早川港出船でも連日のように3kg超級の大ダイが釣れている。

取材日も最大3.8kgを筆頭に3kg級が連発した。

釣り場は港から航程数分の小田原沖が中心で、指示ダナは海面から50~100m前後。

このところはゲストのアタリは少なく釣れればほぼマダイで、じっくりコマセダイを楽しむには最適な状況となっている。

釣行の写真

▲3.3kg、3.6kgと2枚を手にした人も

例年以上に遅くなった初釣り。

釣り物選びは紆余曲折ってほどじゃないけど、あーでもないこーでもないと悩み、結果選んだのは縁起物といったらやっぱりマダイでしょ!

というわけで、相模湾小田原早川港の平安丸にお世話になったのは1月12日のことだった。

釣行の写真

▲小型でも大事を取ってタモ取りを

開始早々に3枚

出船前にマダイ船担当の小林哲郎船長に最近の模様を聞くと、「マダイは型物も含めポツポツ食ってるんですけど、魚っ気が少ないというか普段なら大アジやらなんやらでお土産にはなるんですけど、今シーズンはマダイ以外があんまり釣れない。なのでお土産がほしい釣り人さんには厳しい釣りになりますかね」との答え。

「いつもどおり朝イチは港前からやっていきます。その後は深い所も視野に入れながら色いろ探ってみましょう」と定刻の6時半を少し回って出船した。

エサ取りも少ないとのことでじっくりマダイを狙えるのは好都合。

ただアタリが少ないようだからどんな手で攻めようか?なんて考えていると、港を出て5分とたたずに「じゃあやってみましょう。タナは上からで65mです」と早くも釣り開始のアナウンスが出る。

早川港名物?の提灯型の灯台からほんのわずか、大谷翔平がフルスイングすれば届くんじゃないかというような近さにビックリ。

そしてこの近さで75m以上もある水深にも併せてビックリだ。

この日は釣り人6名と空いていて、置き竿でも取材ができると一投目から竿を出すつもりだったのだが、のんびり構えていたのが失態。

大慌てで仕掛けをセットしエサを付けてコマセを詰めてと、皆さんより数分遅れての竿出しとなった。

70mまでビシを下ろし、コマセを振りながら65mの指示ダナに合わせてロッドキーパーに竿をセットする。

と、いきなりアタった!……のは、私の竿ではなく右舷ミヨシの土屋さん。

初物ゆえ慎重なヤリトリの後、無事船長のタモに収まったのは0.7kg級のまずまずサイズのマダイだった。

次にアタったのは左舷の操舵室横から竿を出していた船長。

大した型ではないと判断したのか、少し巻いた後はロッドキーパーに竿を置いての電動巻き上げ。

様子を見に来た釣り人には、「コマセの詰め替えですよ」と舌を出す。

そして上がってきたのはキロ級のマダイ。「恥ずかしいからやめてよ」と笑う船長をなだめすかして何枚か写真に収まってもらう。

そんな喜劇的なやりとりをしていると、またも右舷ミヨシの土屋さんの竿が曲がり、こちらは魚とのヤリトリを始めた。で、釣れたのは先ほどより若干サイズアップした0.8kg級のマダイだ。

開始早々立て続けに3枚のマダイが上がった後はしばしの沈黙。

次のアタリまでは小1時間ほどかかって、竿を大きく曲げたのは左舷トモの木村さん。

「重くてなかなか底を切れない。やっと10m巻いてもまたすぐに糸を出されちゃう」と木村さん。

周りの野次馬からは「大ダイ?」「いやエイかも?」「根掛かりじゃない?」なんて無責任発言が飛び交う中、時間をかけ慎重に巻き上げてビシを手に取ると、3~4人を巻き込む大マツリ。

船長のアシストでオマツリをほどき、たぐったハリスの先にはワラサが掛かっていた。

ワラサにオマツリじゃあ重いはずと皆納得の笑劇タイムだった。

知っ得!仕掛け絡みを防ぐには

コマセマダイ釣りでは長いハリスの扱いに注意が必要だ。

釣りをしている最中もだが、とくに移動中は風にあおられて手前マツリの原因となる。

途中にサルカンを使うテーパー仕掛けや2本バリ仕掛けはなおさらだ。

防止するには丸枠や掛け枠があると便利で、釣りバッグに収まる小型の物でいいので持参したい。

もし忘れた場合はハリから数mをペットボトルに巻いておくだけでもだいぶトラブルを防げる。

Tackle Guide

平安丸の標準仕掛けは図のとおりでクッションゴムを入れて全長9m。

ただし「ビシの位置は厳守してほしいですけど、ハリスの長さは個人の判断でいいです」と船長。

冬場は「反応はあるけど浮いてこない」ということがかなりあるので、そんなときには長ハリスやテーパー仕掛けを試してみたい。

ウエイトスイベルやガン玉を使ったいわゆる「重い仕掛け」が有効なことも多い。

3kg級を連発

朝イチから同じポイントを釣り続けていたが、9時ごろに小移動でタナ70mを狙い、その後は東へ数分走って酒匂川の河口手前付近のタナ55mへと移動した。

「ここではコマセを控えめにまいてみましょう」で再開する。

しかしアタリはなかなか出ない。

「だれかしらにアタってもいい反応だけどな」と船長は言うが、この場所に限らずこの日はエサ取りもほとんどなく、10分たっても付けエサはそのまま上がってくる。

ゲストは巻き上げ中にヒットしたソウダくらいだ。

まったりとした時間が流れる中、沈黙を破ったのは左舷トモの木村さん。

またも大きく竿を曲げるが、今度はハッキリと生体反応が竿の動きに見て取れる。

「マダイにしては元気がいいな。またワラサかな?でもそこまで走らないし」と木村さん。

なんにせよここまでノーヒットどころかエサも取られていない私にはうらやましい限り。

そして海面にボカンと浮上したのは帰港後検量で3.8kgの大ダイ。

タモの中で外れたハリは伸びていて、危機一髪の一枚だった。
 
後半戦は南に走る。

といっても早川港から至近の石橋~根府川沖で、タナは75~105mと深場狙いだ。

ここで気を吐いたのは右舷トモの中岡さん。

本誌を見て真似てみたという「ハリス長12mのテーパーの重い仕掛け」で3.3kgを釣り上げる。

そして間を置かずに今度は一回り大きい3.6kgと連発。

「盆と正月が同時にきたみたいです」と笑顔が炸裂した。

沖揚がり直前には、この日タモ係に徹していた中岡さんのお仲間、堀切さんも1kg半級の顔を見て、めでたしめでたしで小田原マダイ劇場の幕を閉じた。

釣果は0.7~3.8kgのマダイを0~2枚。

放流するような小型は交じらず、1kg超級以上が主体。

しかもすべてがキレイなマダイで船中7人で9枚は上出来の釣果だと思うが、船長的には「もっと食ってもいい反応だったんですけどね」と不満顔だった。

小田原沖のマダイ釣り、ゲストが少なくアタリも少ないのが難点といえば難点だが、キレイな良型マダイと一対一でじっくり対峙できるのはかえって長所でもある。

取材日以降も連日3kg超級が顔を出しており、コマセマダイファンにとってこの冬要注目エリアとなりそうだ。

釣行の写真

▲いわゆる「重い仕掛け」が効果的なことも多いとか

釣行の写真

▲しばらくは冬の大ダイ狙いに期待できそう

船宿INFORMATION

相模湾小田原早川港

平安丸

0465・22・0676

備考=予約乗合、6時半出船。

別船はヤリイカ、根魚、アジ五目などへも

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