テクニカルナイトゲーム駿河湾沼津の夜タチウオ

夜釣りが人気の駿河湾沼津の定番といえばタチウオ。

今シーズンは秋から好調で大型主体に釣れていたが、ここへきてやや苦戦気味。

目下の釣り場は原沖でタナは海面から30～50m前後。

ベイトの反応が少なくタチウオも散っている状態とのことだが、今後ベイトの反応が出てくれば再び数釣りに期待できるようになるはず。

当地の夜タチウオは例年2月ごろまで続くので、まだまだ熱いナイトゲームを楽しめるだろう。

沼津の夜タチといえばひと昔前まではマダイ竿などの軟調長竿で、仕掛けもワイヤーハリスにタコベイトや夜光パイプ、ハリもティンセルなどで装飾し水中ライトもピッカピカとかなり派手なものだったが、最近は東京湾スタイルのライトタックルで、仕掛けも装飾一切なしのシンプルな物がスタンダードになってきた。

「まだ長い竿や派手めな仕掛けでやる人も時どきはいるしそれで釣れなくはないけど、食い渋ったらやっぱりシンプルな仕掛けで誘ったほうが食いはいいね」と船長。

駿河湾沼津の夜タチウオが絶好調。小型交じりとはいえ、出船すれば連日トップ50本近くと聞いてはいても立ってもいられず、沼津江浦港の伊勝丸へと釣行した。

伊勝丸の集合時間は16時だが、全員が15時半には集合し、準備が整った16時過ぎに出船となった。

この日の釣り人は私を入れて6名。

右舷に森村さんグループ3名が並び、左舷には午前アジ船からの連チャンで2名の常連さんがトモから並び、私は左舷ミヨシの陣容だ。

港を出た船は右手北西方向に舵を切る。

途中静浦沖にも職漁船と見られる船もいたが通過、今日は千本浜沖かと思ったがここも通過して、原沖まで足を伸ばした。なんでも９月、10月ごろは近場でも模様があったらしいのだが、「最近は原沖の釣果がいいので」とのことだ。
　
たそがれ時で辺りはまだ明るさが残っている中、「準備ができたらやってみて。18時まではアンカー打てないから流し釣りでやりますよ。水深は65mくらい。底から10mくらいまで誘ってみて」で釣り開始となる。
　
いい日にはこの時間帯からアタると聞くのだが、この日はアタリが遠い。

結局18時までの1時間は顔を見ず、右舷トモの森村さんに「掛けたけど途中でバレちゃいました」があっただけだった。

「こりゃあ今日は苦戦するかな？」の思いがよぎるが、アンカーを打ってすぐの1投目から竿が曲がった。
　
まずは当日の紅一点、右舷胴の間で頑張っていた石川さんがうれしい初物。

続いてアドバイスを送っていた森村さんにもきて、そのすぐ後には右トモの植野さんと続く3連チャンだ。

型はすべて指幅2.5～3本級とやや小型ではあるが、それまでがアタリもほとんどなかっただけにうれしやビックリである。
　
スタートダッシュの後、間を置いてポツポツの展開となったところで私も竿を出す。
　
アンカーを打ってからの指示ダナは「30～50m。40m前後を中心に」で、アナウンスどおり皆さん40m前後で掛けているようだったので、45mから誘い始めまずはひとシャクリでリール1／4回転、スピードはゆっくりめで誘ってみる。

40m、35mと無反応で通過するも30mで竿を押さえ込むようなモタレアタリが出る。

しかしこれは食い込みに至らず。

エサを付け替えて次投は35mから誘い始める。

今度はチョンチョンとシャクリながらリールは1／10～1／12回転のネチネチとした誘い。

これで前投と同じく30mでアタリが出た。

そのまま誘い続けていると25m付近でクククッと連続したアタリに変わったので聞き合わせるとググーン！と竿に乗り、まずは指幅3本級が釣れた。

この後もこのネチネチ誘いで上めのタナを探りアタリを拾っていく。
　
ほぼ投入ごとにアタリは出るもののタナが決めきれず、かつスローなネチネチ誘いなのでアタリを出すのにもなかなか時間がかかる。
　
アタリが出てからも素直に食い込むことはほとんどなく、アタリが出てからずっとエサをくわえたままで、7～8mも誘い続けてからやっとハリ掛かりなんてヤツが多かった。

それでも掛けアタリに移行すればいいほうで、モタレアタリの後ず～っとモタレたままなんてヤツもいて、そろそろどうよ！で合わせるとスカッてことが多かった。
　
そんなときにはすぐ巻かずにその場で竿をたたくようにシェイクを4～5秒、ピタッと止めて一呼吸待って空合わせ、がこの日は決まって何本か拾うことができた。

船長おすすめの仕掛けはハリス10号以上と太め。

「太くても食いは変わらないよ」とのことだが、この日は中小型が多かったので私はハリス6号で釣った。

ハリス10号以上というのはタチウオに切られるのを少なくするのが目的だろうから、次回訪問時は東京湾奥で密かに？流行っている先端10cmほどだけ12号の逆テーパー仕掛けでやろうと思っている。

そんな状況なのでアタリの数の割に釣果はのびないが、アタリを出すまで、そしてアタリが出てから掛けるまでと非常にテクニカルで、これはこれで面白い展開だった。

ただ、ほかの方は指幅4本級を交えているのに自分は小型ばかり。

もしかして上のタナだと小さいのばかり？と船長に聞くと、「そうですね。あまり上のほうだと小さいのが多くなりますね。ただ下のタナをやったからって大きいのばかりとは限らないですけど」との答え。
　
では一応と、45m付近から誘ってみるが私の誘い方がマッチしないのか明らかにアタリの数が減る。
　
それでもしつこく下めのタナで粘ってようやく掛けたが、これも指幅3本に届かないようなサイズ。

もうこうなれば型は諦めて、今日は上のタナで釣ろうと決める。

しかし相変わらずアタリはほぼ毎回のように出るのだが、なかなか食い込まなかったり食い込むのに時間がかかったりだ。
　
誘いのパターンも持っている引き出しを全開にし、誘いのスピードや幅を変えたり、ノーテンションフリーフォールなど色いろ誘い方を変えるが、あまり反応は芳しくない。

この日のタチウオにはネチネチ誘いが一番効果的なようだった。
　
時は過ぎ「そろそろ時間になります。ラストの1投にしてください」とのアナウンス。

直前にアタリを掛け損なっていた私は、最後は釣って終わろうと急いでエサを付け替えて再投入。

しかしこの投入ではアタリをもらえず無念の沖揚がりとなった。

私の釣果は指幅2.5～3本級を20本ジャスト。

右トモの森村さんも同様な釣果だったようで、ゲストには大型のイトヨリ、ニベ、珍しいユウレイイカ（食べてもまずいらしい）などが交じった。

「今日はいつも以上にベイトが少なくてタチウオが固まらなかったですね。数はいるんですが広く薄くいる状態でした。ベイトが増えてくればまたタチウオも固まり出して大釣りできるようになると思いますよ」と伊海幹雄船長。
　
今後も伊勝丸では夜タチをメインに出船の予定とのこと。

ベイトの回遊、そしてタチウオの爆釣復活に大いに期待したい。

駿河湾沼津江浦港　伊勝丸

090・8474・6990

▼備考＝予約乗合、16時集合