外房エリアのヒラメは開幕してすでに2カ月以上経過しているが、これからの時期は大ビラメの可能性が高くなることで注目を集める。
水温低下とともにイワシが接岸し、それを追って大型の渡りのヒラメが入ってくるが、目下のところはその前哨戦。
岩船沖周辺にはアジの群れが入ってきており、この群れに着いた大型を狙っている。
今回取材した岩船港の史丸では、港からほど近い浅場のポイントでいい日には4~5kg級交じりの釣りを展開している。
「一番浅いところで3mくらい」と吉田史明船長が言うように、起伏の激しい超浅場を攻めるが、こんな場所で大ビラメが掛かったらその引きは想像を絶する。
イワシエサが小型の場合はサビキで釣ったアジが特エサになることも。
イワシの回遊があればいよいよ本番だ。
この日は2~3kg級がメインだった
出典:
大型には大型用を!
大ビラメは一瞬のパワーが強烈なのでハリス、ハリとも頑丈なものを使用したい。
現在、各メーカーから大型狙いをうたった仕掛けが各種発売されている。
太ハリス仕掛けはイワシの動きが悪くなるが、掛かってからは安心できる。
外房岩船港は大原港と御宿岩和田港の間にある小さい港。
この港、唯一の遊漁船である史丸は近場の浅場メインで大型を狙っている。
「今年はまだ本調子じゃない」と吉田史明船長が言うように特大サイズはまだ出ていないが、連日3kg前後の良型は顔を出している。
この場所で特筆すべきはまずポイントが近いこと、そして浅場であることだ。
メインとなる岩船沖は航程10分程度、目の前に岸壁が広がる岩礁帯のポイントで、この日に一番浅い場所は水深3mだった。
起伏の激しい根周りにはアジの群れが回遊し、これを追って浅場に入ってきているヒラメを狙っている。
ここでも近いのに、港を出て1分もかからないような超近場も大型が回遊してくるポイントだ。
「エサのイワシが小さいから釣ったアジも使っていますよ」と船長が言うように、取材日のイワシはマイワシながら10cm程度とかなり小さい。
このため、魚皮サビキを使用してアジを釣ってエサにするのもいいという。
濁り潮&底荒れ気味も3kg級でスタート
この日は、イワシエサのほかに前日に仲乗りさんが釣ったアジがイケスに泳いでいた。
エサはイワシでもアジでもどちらでもいいそうだが、アジを追ってきているヒラメを狙うゆえ、アジがマッチザベイトとも言えそうだ。
取材日は11月26日。
12人の釣り人を乗せてまずは岩船沖へ。
この2日前に大風が吹いて海は乳白色の濁り潮に。
シケ後かつ濁り潮でヒラメには悪条件となった。
船長によれば極端な澄み潮はダメだが、濁り過ぎはやはり食いが悪いそう。
澄み潮から薄濁りくらいがちょうどいいとのことだが、この日はほど遠い。
水深は8mくらいでスタートしたが、船長から細かく変化する水深が告げられる。
「6m、5m、4m……」
横流しで狙っているが、風に押されてあっという間に水深が変化していくので根掛かりに注意しながらの釣りとなる。
最初にヒットしたのは6時ごろ。
まだ暗い時間帯で、上がったのは3kg弱の良型だった。
しかしこの1枚が出てからしばらく沈黙が続いた。
次に上がったのは少しサイズアップして3kg級。
その直後に大型らしきがヒットするもバラしてしまう。
船長は浅場をこまめに流していく。
明るくなると岸からルアーを投げている釣り人が多数確認できる。
ここはサーフからもヒラスズキやヒラメを狙っているのだ。
時期になると、御宿岩和田港や大原港からもこの海域になってくるがこの日は1隻のみ。
アジの反応はあるようだが、底荒れの影響かヒラメの食いは今一つ。
2枚釣れたあとはまたしばらくアタリが遠のいた。
アジの反応にサビキを落としても食ってこず、アジにとっても潮具合はあまりよくない様子だった。
薄暗いうちに肉厚の3kgクラスが浮上
出典:
ONE POINT ADVICE アジエサもおすすめ
アジの反応があるときはサビキ仕掛けでアジを釣って、エサにするのもおすすめ。
取材時はイワシが小型だったが12 月に入って中型も増えたそうで、イワシエサと釣り比べるのもおもしろい。
1枚出ると連チャンも ここが集中どき!
前半のクライマックスがやってきたのは7時半ごろ。
右舷ミヨシから2番目の釣り人がヒットさせるとそのヤリトリ中に左舷ミヨシ、その隣とトリプルヒット。
全員無事に上がり、2枚が3kg級、1枚は2kgオーバーと、みないいサイズだった。
ここまで釣れたエサはイワシ、アジ半々といったところ。
アジエサは海中でおとなしくなる傾向がありアピール力がイワシに劣ることもある。
あまり動かないようなときは、まめに上げ下げしてヒラメにアピールするとアタリにつながっていた模様だ。
ここで船中、目の色が変わってみな一気にやる気モードになるが、この3枚でピタリと止まってしまった。
しばらく粘ってみたものの、ここで船長は港前に戻る。
ポイントは大きく変わった気分だが走っても5分程度。
すぐ目の前には堤防がある水深5m前後の浅場だ。
浅いところはアジが入ってくればヒラメもいるけど、群れが抜けるとヒラメも移動しちゃうから難しいと船長は言う。
港前のポイントにはヒラメは入ってきていないようで、再び岸壁前のポイントに移動する。
やはり今日はこのポイントがいいようで、移動後すぐにアタリがある。
しかしさっきまでは見られなかった1kg未満の小型。
このサイズが固まっていたのかバタバタと同サイズが数枚取り込まれる。
船長は細かく移動しながら探っていくが、潮の色は入浴剤を入れたような濁り潮。
根掛かりが多い場所だが、捨て糸を短くして低めのタナを狙っている人にアタリが集中していた。
やはりシケ後の影響が出ていたようだ。
9時過ぎに右舷ミヨシ2番で変なアタリがある。
ただ重いだけだがユラーッと鈍重な引きがある。
おそらくアレだろうと皆で話していたらやはりサメ。
それも1mほどの大型だった。
潮が悪いのかと思ったのも束の間、その隣の人がこの日1枚目となる2kgクラスを上げた直後に、逆の左舷ミヨシでは当日最大級の3kgオーバー。
さらにこれまで沈黙が続いていた右舷大ドモでも同サイズが取り込まれた。
この釣り人はさらに立て続けに2枚釣り上げた。
どうも、この日は1枚食うとバタバタと食うシーンが多かった。
ヒラメ釣りではこんなことが多いので、だれかが釣ったら集中してやりたい。
このあとは小型が何枚か上がって11時半ごろに沖揚がりとなった。
結果は、12人で0~4枚。
残念ながら0が2人出てしまったが、3kg前後の良型が多く今後に希望の持てる内容となった。
イワシエサは小型だったが、12月6日の時点では「小型と普通サイズが半々」とのことで、エサの心配はなさそうだ。
アジの群れは年内いっぱいくらい。
その後はイワシの回遊がある見込みで、大ビラメ狙いの本番はこれから。
超浅場のスリリングな釣りを味わっていただきたい。
ライトタックルで強烈な引きを楽しんだ
出典:
前半苦戦もラストに良型を連チャン
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1枚釣れると連続して釣れることが多かった
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船宿information
外房岩船港 史丸
090・5339・5562
▼備考=予約乗合、4時半集合
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隔週刊つり情報(2024年1月1号)※無断複製・転載禁止