布袋尊にも信楽焼の狸にも負けない立派なお腹と、一見コワモテな笑顔で釣り人を惹きつける笑門来福な船長を訪ねてみた。
【プロフィール】カマちゃん・釜井 昌二(かまいしょうじ)
クラフトビールが大好き。
アトリエぷらりおさかなイラストレーター。
A.T.LABフィールドアドバイザー。
東京湾奥千葉市寒川港にある守山丸は遊漁船1隻、渡船1隻の計2隻で、湾内の遊漁と五井の防波堤渡船を営む船宿。
週末ともなれば、船着き場は渡船待ちをする釣り人で賑わう。
決して大きな船ではないが、釣り座は清潔で広びろ。この日は木更津沖の水深15~23mを中心に狙った
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一念発起で釣船店を継承
守山丸の前身は守山釣船店。
7年ほど前に店主が亡くなり、縁あって金子輝人さんが事業を継承、守山丸として開業した。
「平成15年に亡くなった父が守山釣船店で働いていたのが縁で、俺は仕事が休みの日に先代の手伝いをしていたんです。手伝いといっても、高齢な先代の送り迎えとか、忙しい週末の手伝いとかそんな程度。先代が働けなくなったとき、後継者はいなくてね。じゃあ俺がやろうじゃないか!って一念発起したんです。そうして、先代が亡くなった2年後に株式会社守山丸を設立しました。今から7年くらい前のことですね。名前は残してあげたくて守山の名を残し、遊漁船としても舵取りしていきたかったので丸を付け、守山丸と名付けました」と開業までの経緯を話してくれた。
開業後、中古船を購入してエンジンを新装し、第七守山丸を就航。
以来、遊漁船の船長として日進月歩、休みの日に一人で沖へ出て竿を振ったこともあったし、あちこちの船宿へ釣りにも出かけた。
そうこうしながら船長としてのキャリアを積み重ね、守山丸ファンを一人また一人と増やしていった。
現在の釣り物は周年楽しめるライトアジ、近年盛り上がりを見せる餌木タコ、秋に回遊するサワラやイナダといった青物やシーバスを狙うルアーゲームなどなど。
最初に予約を入れてくれた釣り人の希望に応じて出船する釣り物を決めている。
金子輝人船長は、昭和46年生まれの50歳。
いつも守山丸のオリジナルウエアで大きなポンポコお腹を包み込み、透けたサングラスで目尻の下がった優しい目を隠している。
一見、ダークスーツが似合いそうなコワモテな金子船長だが、見た目とは裏腹に面倒見がよく、明るくひょうきん。
船長の周りには、いつも笑いがある。
朝の受付を担当するのは、妻の可奈恵さん。
どんなに混雑していてもその受付はきっちり、スムーズ、マイペース。
あっさりと受付を済ませて乗船してしまう人もいれば、おかみさんとの会話を楽しむ常連さんもいる。
可奈恵さん、そしてその周りにも笑顔があって、渡船が出船してひと段落した朝の乗船場は、いつもほのぼのしている。
「これまで苦労をかけてきた」と金子船長はその労をねぎらう。
良型交じりで朝から好調
私が出かけたこの日の釣り物はライトアジ。
13人の釣り人を乗せて木更津沖の水深15~23mへ。
腰を据えてじっくり狙おうということになり、仲乗りの中村さんがアンカーを下ろしたところで金子船長は釣り方やエサの付け方などをていねいにアナウンスする。
混雑しやすい週末は、中村さんや広田さんといった仲乗りが乗船していて、オマツリなどのトラブルに対応してくれる。
安全面でのサポートはもちろん、コマセが少なくなると運んでくれたり、釣り方のアドバイスをしてくれたりと安心だ。
潮止まりからのスタートとなったが、序盤から良型交じりで絶好調。
風が吹き始めた中盤以降も小型中心ながらポツポツと釣れ続けた。
湾奥ではいつからか周年アジが釣れるようになったが、「こんなにでっかいアジが釣れるのか!」と驚くような魚体が夏以降は増えてくる。
また、産卵を終えて少しずつ脂の乗りが増してくるから、食味にもますます期待できる。
「安全に遊んでいただくことはもちろんですが、釣りはレジャーなので、楽しく釣って、釣果をおいしく食べて、お休みの一日を存分に楽しんでいただきたいですね」と金子船長。
本誌発売後は餌木タコもシーズンインの予定。
果たして今期のタコの湧き具合はどうだろうか?
ビギナーの女性陣もこのとおり
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このサイズのアジフライはサクふわで絶品
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常連さんはさすがの腕前で数をのばした
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東京湾のライトアジは初心者からベテランまで、だれもが楽しめる
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足繁く通う常連さんも多い
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根周りの定番ゲスト、カサゴもチラホラ
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良型のイシモチも交じった
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夏は脂が乗って抜群においしい時期
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【船宿information】東京湾奥千葉市寒川港・守山丸
【TEL&FAX】043・312・2640
【URL】http://moriyamamaru.com
●予約乗合。定休日なし。
●釣り座は予約順。
●タチウオはテンヤ、ルアーも可。
【船宿アクセス】
●車/東京方面からは、東関東自動車道「習志野インター」、または京葉自動車道「松ケ丘インター」から国道357号へ。
寒川町2丁目交差点を海側へ曲がり、最初の信号をUターン。
100m戻った先の富士住建手前路地を左折。
道なりに進むと寒川港に降りるスロープがあり、その先が港内駐車場。
千葉方面からは、東関東自動車道「蘇我インター」から国道357号へ。
蘇我1丁目交差点を左折し、2kmほど進むと前出の富士住建に出る。
●電車/JR本千葉駅または蘇我駅からタクシー利用。
受付から下船までの流れ
(左)指定された駐車スペースに車を停める(右)受付場所の軽トラ荷台で乗船名簿に記入する
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(左)軽トラの前で会計を済ませる(右)名前が呼ばれたら乗船、釣り座で支度する
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(左)足元に注意してミヨシから下船(右)下船後は船宿前で手や道具が洗える
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守山丸の設備とサービス
(左)ペット氷が各自に1本用意される(中)ライフジャケット常備。必ず着用のこと(右)各釣り座に循環ホース
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(左)船後部にキャビンあり(中)操舵室後ろに椅子付きデッキあり(右)女性用トイレはキャビン内にあり
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(左)ポイントカードも発行(中)守山丸オリジナルTシャツはどれも大人気(右)乗船場所に自動販売機あり
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守山丸の釣り物とシーズン
守山丸のライトアジ仕掛け例
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隔週刊つり情報(2021年6月15日号)※無断複製・転載禁止