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[出会いを求めてフラリと釣行。カマちゃんの船宿探訪(第23回)]変わりゆく駅前と老舗船宿~東京湾奥金沢八景・弁天屋のたくさんのスタッフ~(弁天屋/東京湾奥金沢八景)

隔週刊つり情報編集部

かつてたくさんの商店で賑わいを見せていた京急金沢八景駅前は、「金沢八景駅東口地区土地区画整理事業」などの街つくり事業により、平成末期に大きく様変わりした。

釣り仲間との釣行後に反省会と称して飲んだくれた食堂や酒処は跡形もなく、数階建ての新しいビルが立ち並ぶ。

【プロフィール】カマちゃん:釜井 昌二(かまいしょうじ)

里山歩きにハマってます。

アトリエぷらりおさかなイラストレー ター。

A.T.LAB フィールドアドバイザー。

今年で創業84周年

様変わりした金沢八景駅から徒歩8分、国道16号の瀬戸神社前交差点を右折した先に弁天屋はある。

「あらカマちゃん、久しぶりだねぇ」と出迎えてくれたのは、おかみの本田晴美さん。

4年前の平成29年5月26日に亡くなった先代、故本田功船長(享年71歳)の妻で、現在の店主本田和芳船長の母である。
 
19歳で弁天屋に嫁いでから家事に子育て、店番と働き詰めだったにもかかわらず、今も仕事が楽しくて仕方ないと引退を固辞する。

「和芳は、私が20歳のときの子供でね。あら、そんなことを言ったら歳がバレちゃうわね」とみんなを笑わせる。

いつも陽気で、釣り人たちのおっかさん的な存在。

お手伝いの安藤文子さんとともに毎朝、明るい空気で釣り人を出迎えている。

大きなマダイやマゴチを釣って戻ると晴美さんが魚拓を取ってくれる。

店先を飾るたくさんの魚拓は釣ってきた釣り人、釣らせた船長、そして晴美さんの合作。

道行く人を振り返らせる。

店主の本田和芳船長は、弁天屋の四代目。

秋から春に一つテンヤとタイラバで楽しむマダイ、初夏から秋のタチウオへ第八弁天丸で釣り人を案内する。

その操船には定評があり、ベテラン釣り師からの信頼は厚い。

真面目で仕事熱心なあまり、体を壊しやすいのがたまに傷。

あと2年で50歳。

無理は禁物な年ごろだ。

仕事に夢中だったゆえということにしておくが、和芳船長はやや晩婚で、2010年に浩子さんと結婚。

授かった長男の侑澄君と3人で暮らす。

アパレル業から船宿若おかみに転身した浩子さん。

以前は侑澄君が幼かったこともあって帰港した船の出迎え係が中心だったが、最近は週の数日ほど晴美さんに代わり、店番も担当している。

こうして84年の長い歴史を持つ弁天屋の顔ぶれは少しずつ変化し続けていて、10人を超えるスタッフで、今日もたくさんの釣り人を出迎えている。

釣行の写真

(左)38年前の写真を手に弁天屋の歴史を語ってくれたおかみの本田晴美さん。(真ん中)本田釣舟店から弁天屋に名を変え、この地に船宿を構えて84年になる。(右)店主の本田和芳船長と若おかみの浩子さん。

釣行の写真

(左)琵琶島の弁財天。(右)看板猫のたっちゅーは、常連さんのアイドル。

小ぶりながらおいしそうなアジばかり

ソヨメイヨシノの枝からすっかり花が散り落ちたこの日、私む人も多い。

この日もベテラン、中級者、ビギナーが入り交じっての出船。

12人の釣り人を乗せて、航程20分あまりの本牧沖、水深27mでアジ釣りを楽しんだ。

当日は弁天屋の社員、船長見習いとなって二日目の浅野健太郎さんが仲乗り役で乗船。

初挑戦の少年に釣り方のアドバイスをしていた。

「釣りが仕事になったら楽しそうだなと思って、高校生のときにアルバイトをしていた弁天屋に就職しました。今年は無線や自動車免許を取らないといけなくて・・・」と勉強嫌いを滲ませながらはにかんだ。

小ぶりが多く交じることに森本船長はやや不満げな様子だったものの、アジはどれも背がコロンとしてプックリ、とてもおいしそう。

慣れた人はダブル、トリプルと多点掛けを連発、アタリが途切れることなく釣れ続き、毎週弁天屋に通う今関さんが66尾を釣って竿頭となった。

本誌発売ごろには木村定義船長担当のマゴチや糟谷武彦船長担当のシロギスもシーズンインする。

次は何を釣りに来ようか思いを巡らせながら、令和の金沢八景駅へと向かうのであった。

釣行の写真

当日は航程20分ほどの本牧沖、水深27mを狙った。

釣行の写真

タナは底上2~3m。

釣行の写真

開始早々に中アジゲット。

釣行の写真

(左)このところの東京湾のライトアジは中小型主体に釣れている。(右)アジは周年釣れる人気ナンバーワンターゲット。

釣行の写真

船釣り初挑戦で大健闘

釣行の写真

(右)幅広なアジ。まずは刺身でいただきたい。(左)小ぶりなアジも多く交じったが、食べては美味。

【船宿information】弁天屋(東京湾奥金沢八景)

TEL:045・701・9061

URL: www.bentenya.com/

●予約乗合。木曜日定休。

●釣り座は先着順。

●タチウオはテンヤも可(予約時にテンヤで狙う旨を伝えること)。

マダイは一つテンヤまたはタイラバで中潮~大潮回りのみ出船。

船宿アクセス
車/横浜横須賀道路の朝比奈インターまたは堀口能見台インター、首都高速の幸浦インターが最寄りの高速道路出口。いずれのインターからも10分程度。船宿正面にある「洋服の青山」前にいるスタッフの誘導に従って駐車場へ。

電車/京浜急行金沢八景駅下車(エレベーターを使うと1階に出られて便利)。駅前の国道16号の交差点を渡って左折、瀬戸神社前交差点を右折してすぐ。

受付から下船までの流れ

弁天屋の船上設備とサービス

弁天屋の釣り物とシーズン

※ライトアジは午前、午後、一日船あり 
※シロギスは平日ショート船、土日祝は午前、午後船 
※タチウオは季節により一日船、ショート船、午前船 
※一つテンヤ&タイラバマダイは一日船で中潮~大潮回りのみ出船。

釣行の写真

後半アタリが増えて数をのばした。

釣行の写真

食いが立つと2点掛け、3点掛けで数がのびていく。

釣行の写真

(左)毎週のように通うファンも多い。(右)してやったりの3点掛け。66尾で竿頭はお見事。

釣行の写真

(左)半日ライト。アジ船担当の森本直樹船長。(右上)船長見習いとして就職した浅野健太郎さん。(右下)ビシは40号。仕掛けは船上でも購入可。

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【隔週刊つり情報(2021年5月15日号)※無断複製・転載禁止】

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