東京湾のタチウオは夏から好調が続いている。
テンビン仕掛けの釣りは食わせの代表格で、いかにしてハリを口の中に入れるかを工夫し実践する楽しみがあるが、秋に入ってテンビンファンにとってうれしい知らせが届いた。
「最近はテンビンで釣れるサイズがよくなっています。数は8月ほどではないですが、反応も多く安定しています」と三浦半島新安浦港・義和丸の村上義人船長。
この日は右舷がテンヤ、左舷がテンビンでの出船となったが、サイズはどちらも指幅3~4本サイズ以上で、小型はたまに交じる程度。
「あんまり誘いすぎると小型ばっかりになるよ」と常連たちは口をそろえ、スローな誘いが大型に効くようだ。
「大型を食うパターンを見つける」これがこの時期のテンビンタチウオ攻略のカギになるようだ。
![釣行の写真]()
▲この日は指幅3〜4本サイズが多かった
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逆テーパーが主流に
テンビンタチウオの仕掛けはハリス本線を細くし、ハリ付近にはナイロン12号やメタルハリスを用いた逆テーパー仕掛けが主流になっている。
大型に飲まれたときもハリス切れを防いでくれる。
![釣行の写真]()
▲飲み込まれていたが逆テーパーに救われた
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東京湾のタチウオは夏シーズン開幕以来、ムラが少なく絶好調が続いているが、季節の移ろいとともに少しずつ状況は変化してきている。
「8月はテンビンで60本超えの釣果もあって異常なほどの釣れ方をしていました。今はそこまで極端なのは少なくなりましたがそれでもずっと好調です」と三浦半島新安浦港・義和丸の村上義人船長。
今回はテンビン釣法に特化して紹介するが、最近はある傾向が見られるという。
それは、「テンビンで釣れるサイズがアップしている」ことで、これはテンビンファンにはうれしい状況。
特大サイズはテンヤ釣りに分があるのはたしかだが、テンビンで釣れる平均サイズがアップしているから、食わせ釣りの楽しさも倍増中。
今回はテンビン釣りでの大型狙いについて紹介していく。
![釣行の写真]()
▲義和丸のベテランたちはただ数を釣るだけでなく大型を狙っている
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逆テーパー仕掛けはもはや標準!?
竿は全長1.8m前後のテンビンタチウオ用、全長1.8〜1.9m前後のライトゲーム用など。
オーソドックスなのはMHの7:3調子だが、シャキシャキと積極的に誘いをかけていくのが好きなら8:2調子のやや硬めの竿を選ぶといいだろう。
LタイプからHタイプまで軟硬様ざまなタイプがあるが、竿の調子によって操作性は全く異なってくるので、自分に合った1本を見付けるといいだろう。
リールは小型両軸または超小型電動。
タナは40〜50mのことが多く手巻きでも十分対応できるが、電動があれば手返しもアップして便利。
高切れもあるので、予備のタックル、リールを用意しておくとより安心だ。
義和丸では道糸はPE2号以下(細くても1.5号までにしておく)指定で、オモリは60号を使用。
テンビンは腕長30cm前後のストレート型、または弓型を使用する。
「テンビンは安いものでいいから、予備は多めに持ってきてください」と船長。
好調に釣れていればオマツリも多くなり、道糸が高切れするリスクも増える。
また、タチウオやサバフグは道糸にアタックしてくることもあるので、テンビン&オモリの予備は3セットはあると安心だ。
仕掛けはノーマルストレートの場合、ハリス6号前後、全長2mが標準。
ハリはタチウオのサイズがよくなっているのでタチウオバリの2/0が標準。
さらに大型用の3/0まで用意しておこう。
最近では元ハリスを4号程度と細くし、ハリ側の10cmほどをナイロン10〜12号やタチウオ用メタルハリスを用いた逆テーパー仕掛けを使用する人が多くなっている。
大型のタチウオはエサを丸飲みすることも多く、鋭い歯で最も簡単に切られてしまう。
これをいくらか防ぎ、しっかり食い込ませても安心なのが逆テーパー仕掛けだ。
さらに元ハリス部分は細い糸を使うことで潮切れもよく、エサの動きもよくなる利点もある。
筆者が5年ほど前にテンヤタチウオに初挑戦したとき、いきなり132cmの大型が釣れたが、胃袋の中にはカルシウムで石化したタチウオバリが2本入っていた。
このサイズがテンビン仕掛けに掛かったとしても、ことごとくハリスを切られてきたことがうかがえる出来事だった。
ハリスの接続は電車結びが一般的だが、今回はダイワフィールドテスターの高槻慧さんがおすすめするハーフヒッチ4回接続法を紹介する。
ちなみに今回の取材ではこの結び方で仕掛けを作り試してきたので、それについては後ほど紹介。
結び方はイラストで紹介するが、つり情報チャンネル内の「高槻慧のドラゴンチェイサー 夏に効く! テンビン仕掛け公開!」でもぜひご確認を。
この結び方は両方ともに折り目を付けてから結ぶので、太いほう(ナイロンまたはメタルライン)の長さがピタリと決まる。
折り目を付けた部分で交差させ、それぞれハーフヒッチを4回(上下2回ずつ)でしっかりと締め込み、結び目から出たヒゲの部分をギリギリの場所でカットする。
こうすると、ヒゲの部分に引っかかることもなく、結び目はこぢんまりときれいな仕上がりになる。
ヒゲの部分をギリギリでカットすると、結び目が解けてしまうのではという不安があるが、これに関しては「4回ずつハーフヒッチで締めているので、1箇所解けたくらいでは問題ない」とのこと。
メタルハリスに関しては、船によっては禁止しているところもあるので、事前に確認してから使用すること。
また、最近はハリにファイバー(フラッシャー)を巻き付けて装飾したものも多く使われている。
今回、取材した義和丸の常連も使っていたので、一定以上のアピール効果はあるようだ。
タチウオを釣り上げたあとは、フィッシュホルダーなどでエラ付近をガッチリつかみ、ペンチなどでハリを外す。
このほか、ハリを飲み込まれてもハリ外しが容易なフックリリーサーがあると便利。
安全なハリ外しのためのグッズ類も持参しよう。
早い誘いは小型が反応大型に効く誘いを探す
「ガンガンシャクって誘う人は数が釣れても小型が多いですね。最近はとくにその傾向が強いみたいです。ウチの常連さんたちはゆっくりめの誘いで大型を釣っている人が多いです」と船長。
テンビンで釣れる平均サイズがアップしているとはいえ、誘い方でサイズに差が出るのだという。
テンビンタチウオの一般的な誘いは、指示ダナの下限まで落としたら、竿先を下げながらリールを半回転〜4分の1回転してシャクリ上げ、食わせの間(ポーズ)、続いて同じようにシャクっては間を取っていくというもの。
シャクリの強弱、誘い幅、リールの巻き幅、ポーズの長短と、これらを調整して「食うパターン」を見付けるのがこの釣りの要諦だが、スピーディーにシュッシュッとシャクっていくと小型が先に食ってきてしまうようだ。
大型をよく釣るというベテランの動作を見ていると、フワッとシャクリ上げて長めに待ちを取っている。
朝イチは活性が高いため、誘いは強め、スピーディー、巻き幅は大きめ、待ちは短めがセオリーだが、ゆっくりめの誘いからスタートしてアタリを見ながら調整しているようだ。
最近は誘いは大きめ、早めでも食わせの間は5秒前後取るといいそう。
誘いはこのほか、シャクリ上げた状態から竿を先に下げて、後から仕掛けを落としていくノーテンションフリーフォールなども試してみよう。
広いタナの中でなかなか当たりダナが分からないときは、電動微速巻きも効果的。
いずれの場合も、タチウオはエサの端っこをくわえたときに最初のアタリが出ることが多い。
ここでいきなり合わせてもハリが口の中に入っていないので、ハリ掛かりさせられない。
最初のアタリがあったら、そのままの誘いを続けるとしっかりとした重みに変わる。
これがハリが口の中に入った合図で、ここで合わせるとハリ掛かりするというわけ。
最初のアタリがあってからすぐに掛けアタリに変わることもあれば、いつまでたってもそのままということもある。
こんなときは、ゆっくり竿を持ち上げて聞き上げていくと、エサを逃すまいと深く食い込んでくることが多い。
ノーマルのストレートハリスを使用する場合は、飲まれ切れを防ぐために比較的早めの合わせが吉となることが多いが、逆テーパーハリスを使っているなら、「あえて飲ませる」のも有効。
しっかりと食い込ませて、重みを十分に感じてから合わせを入れる。
口の中にエサとハリすべてが入った状態で合わせを入れ、ハリが引き出されてフッキング。
もちろん、逆テーパーを使っていても飲まれ切れすることはあるが、しっかりと食い込ませても切れにくいという安心感がある。
1本釣るたびにハリスをチェックし、傷みが激しいようなら新しい仕掛けに交換する。
通常の6号前後ハリスでは確実に切られてたな、というシーンも多かった。
タチウオの活性によって、一日のうちでも食うパターンは変わってくる。
周り同士で情報を共有したり、よく釣る人の釣り方を観察して真似してみるのも上達への近道だ。
平均サイズのよさに驚くそして逆テーパーは強し
義和丸のショートタチウオ船に乗船したのは9月27日のこと。
右舷はテンヤが9人、左舷はテンビンが8人、舳先にルアー1人の18人で出船。
ちなみに義和丸のテンヤは50号指定。
今回は義和丸の常連で筆者の友人の田中さんと同乗。
朝のあいさつをして乗り込むと、常連のベテランたちが「田中さんは数釣るけど動かしてばっかりだから小型が多いんだよね」と軽いジャブ。
そこに村上義人船長も登場して、「大きいの釣りたいならゆっくりめだよ。誘いすぎは小型が多くなっちゃうよ。結構みんなに言ってるんだけどな」と笑う。
ちなみに田中さんは前週は数ではトップだったとか。
「今日はそのあたりを意識してやってみます」と田中さん。
船は安浦沖を通過して走水沖へ。
水深は50mちょっとと浅い。
「47から40まで探ってみて」の合図でスタート。
開始1投目からテンヤで3人にヒット。
朝イチはシルエットが大きいテンヤへ好反応を示した。
サイズはいきなり1mオーバー。
テンビン組の誘いは様ざまだったが、朝イチは高活性で強め、早めの誘いにアタリが多く出ていた。
ただし、サイズは指幅3本前後と最近にしては小型が多いようだった。
しかし、1時間ほどすると指幅4〜5本サイズも多くなってきた。
ある程度撮影も済んだので、竿を出すことに。
今回はフロロ4号とナイロン12号、タチメタル3号との逆テーパー仕掛けを用意していった。
まずはメタルラインから。ハリは2/0でシンプルな仕掛けに。
竿はゆったりめの釣りに合う、MLタイプの軟らかめを使用。
頭の中には「シャカシャカやらずに大型狙い」と皆の言葉がよぎって、ソフトに大きめの誘いの後、待ちを長めに入れてみた。アタリはあるものの、その後の食い込みまでが遠い。
常連の一人が、「今の時間はちょっと早めのほうがいいよ」と教えてくれて、そのとおりにして3連チャン。
1本だけ小型がいたが、あとは指幅3〜4本サイズだった。
前週のほうがサイズはよかったそうだが、アタリは順調に出て数はのびていく。
10時に初めて移動のアナウンスでやや北上する。
操船室で話を聞きながらの移動だったが、「ほら、ずっと反応出っぱなしでしょ」と魚探の反応を指さした。
このエリア一帯、ずっとこんな感じで反応が出ているらしい。
そりゃ魚影は濃いはずだと納得。
次の場所のタナは「50から40」。
「ゆっくりの誘いと長めの待ち」で当日最大級の大型が上がったのを機に、ここから急に大型が増えていった。
これは常連や船長が言うとおりの誘いが効くに違いないと、じっくりと待ち気味に狙ってみた。
フワッと誘い上げて長めのポーズを入れると、「ツン」と竿先にアタリが出る。
竿をゆっくりと持ち上げていくと重量感とともに押さえ込まれた。
ここでエイッと合わせを入れるとギューンと重量感。
上がってきたのは指幅5本クラス。
合わせは若干遅めだったのと、軟らかい竿のためシャープな合わせではなかったためか飲み込まれていたが、メタルラインの逆テーパー仕掛けだったので無事だった。
次はナイロン12号の逆テーパーにして同じような誘いに。
先ほどよりも少し小さめだが、それでも良型が上がってきた。
こちらもハリは口の中に入っていたが、12号ハリスは表面が少しザラ付く程度だった。
最近、お気に入りのフックリリーサーでハリを外して次の投入へ。
後半は船長が言うとおり、平均サイズがアップ。
田中さんもあれこれ試しながら良型交じりで23本。
トップは24本だった。
筆者は小型と呼べるのは1本だけで、あとは良型がそろい17本と大満足。
最近のトレンドを試して出た結果だけに充実した取材となった。
今後は水温が低下すると群れが抜ける可能性があるが、しばらくは問題なさそうとのこと。
義和丸では近場で釣れなくなるとアジ釣りに移行する。
![釣行の写真]()
▲この日は右舷がテンヤでトップは一人だけダントツの36本
出典:
船宿INFORMATION
三浦半島新安浦港
義和丸
046・825・0078
備考=予約乗合、7時15分出船
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隔週刊つり情報(2025年11月1号)※無断複製・転載禁止