profile
よしおかすすむ1982年生まれ。
ヨッシーの愛称で親しまれている。
一つテンヤマダイ、ライト系オフショアルアーを得意とする。
ジャッカルソルトプロスタッフ、シーガーインストラクター。
ヨッシーこと吉岡進がルアー釣りを中心に色いろな釣り物を狙い、毎回釣りの楽しさを伝えていく当連載「Enjoy Every fishing(略してE2F)」。
第18回はタイラバと一つテンヤで狙うマダイ。
浅場で小型を中心に数が釣れていて、ゲストも多彩な外房大原を訪れた。
釣れるマダイは300〜800g前後を主体に1kg級交じりで好日にはトップ2ケタという釣れっぷり。
ゲストも多彩でヒラメやカサゴ、マハタなどが釣れている。
8月下旬に釣行したのは周年マダイを狙って出船している外房大原港の新幸丸。
山口新一船長が船を向けたのは大原沖の水深15m前後でドテラ流しでスタート。
![釣行の写真]()
▲当日最大1.2kgのマダイをキャッチ
出典:
朝は活性が高いマダイ狙いで巻きの釣りから始めるヨッシー。
TGビンビンスイッチ80gを投入し、着底したら5m巻いて落とすを繰り返すと底から3巻きでアタリ。
500g級のマダイをキャッチし好スタートを切る。
日が昇ると、ヨッシーは3~5号テンヤを付けたスピニングタックルを手にアンダーハンドでキャスト。
底から1mの範囲をリフト&フォールで探って300〜800g前後のマダイを釣り上げていく。
しばらくしてアタリが遠くなると、8号テンヤをセットしたベイトタックルに持ち替えて底付近でじっくりアタリを待つ釣り方を試す。
するとこれが見事にハマってツ抜けを達成。
その後も順調に数をのばして16枚のマダイを釣り上げてフィニッシュ。
![釣行の写真]()
▲本編は高橋剛が執筆。船釣りの楽しさをヨッシーとともにお伝えします!
出典:
#Enjoy every fishing tackle&lureguide
外房大原の一つテンヤマダイタックル
テンヤタックルの使い分けは、スピニングは3~5号を投げて少し浮いているマダイを、ベイトタックルは8号を船下に投入し底付近にいるマダイを狙う。
タイラバ用は全長2m前後で、竿先が軟らかく胴にかけて曲がり込み、元はしっかりしている専用ロッドがおすすめ。
![釣行の写真]()
▲一つテンヤとタイラバのタックルを持ち込んで状況に合わせて使い分ける
出典:
#船宿インフォメーション
外房大原港
新幸丸
0470・62・1500
親子三代で周年一つテンヤマダイへ出船。
新一船長と大地若船長が釣り方などを親切ていねいに教えてくれる。
貸し道具も充実しているのでビギナーにもおすすめの船宿。
大船長が作る新幸丸オリジナルのテンヤとカブラは船宿で購入できる。
備考=4時半集合、集まり次第出船
![釣行の写真]()
▲山口 新一船長(左)、大地若船長(右)
出典:
#How to attach fi shing bait
「じゃあ、先に到達した人にはハワイ旅行をプレゼントね」
外房大原は新幸丸の山口新一船長が朗らかに笑う。
何に到達することを競っているのだろうか?
「よっしゃ!」
「ホントですか〜?」
「ハワイ旅行って、昭和の香りがするなぁ」
「鳥取の羽合かも……」
竿を握りながら笑顔で新一船長のジョークに応えるのは、われらがE2F取材班である。
夏の終わりに、これでもかとばかりに降り注ぐ陽光を浴びながら、新幸丸はひたすら明るい。
まさかこんな楽しい釣りになるとは、だれも思っていなかった。
何しろ新一船長自身が出船を前に「厳しいタイミングでの取材になっちゃったなあ」と頭を抱えていたというのだ。
「前日の模様があまりよくなかったからねぇ」と新一船長。
「ウチには昔から来てくれてるヨッシーだけど、さすがに今回はどうかな……」と、不安に駆られていたという。
当地での夏の一つテンヤマダイ釣りは、浅場での数釣りが楽しめる。水深はとにかく浅く10m前後。
その分、軽いテンヤでも底が取りやすく、浅いだけにダイレクトな引きが味わえる。
一つテンヤマダイ入門に最適な時期だ。
1kg弱の小型が中心ながら、たまに中ダイ、大ダイも交じる。
ビギナーからベテランまで、スキルにかかわらずだれもが一つテンヤの魅力を堪能できる。
だが8月終わりの日本列島は、動きがやたらと遅い台風10号に翻弄されていた。
台風の影響かどうかは定かではないが、通常この時期、大原の一つテンヤマダイならツ抜けも珍しくないのに、取材前日の8月27日はトップ6枚に終わっていた。
そして「持っていない」ことで知られるE2F取材班である。
「前日はよかったのに、ダメだったか……」もしくは「前日に引き続き、やはりダメだったか……」という船長の嘆息を、これまで山のように聞いてきた面々なのである。
だからこそ今回も、厳しい戦いを予想していたのだ。
しかし、予想はいい意味で裏切られた。
「先に到達した人にはハワイ旅行をプレゼント」という新一船長のジョーク。
「先に到達」とは先にマダイを10枚釣ること。
つまり、E2F取材班によるツ抜け合戦だったのである。
![釣行の写真]()
▲リフト&フォールでていねいに探り500g級のマダイをゲット
出典:
一つテンヤか?巻き物か?ツ抜け狙いならどっちがいい
8月28日4時50分に、新幸丸は大原港を離れた。
そのわずか15分後、水深16mのポイントで釣りが始まるや否や、1投目で竿を曲げたのは、E2F取材班の一人、イチロウこと鹿島一郎さんだ。
船中1枚目のマダイは、一つテンヤによるものではなかった。
「ジグです。ジャッカル・バンブルズジグTG SLJの30gで、色は緑金」
実は出船前、新一船長とその息子さんである若船長・大地さんは「基本的に一つテンヤ。巻き物は厳しいよ……」と口をそろえていた。
だがイチロウは、「今日は巻きで攻めたい」と息巻いていたのだ。
ヨッシーことジャッカル・プロスタッフの吉岡進さんは、「やる価値はあるよ」と言った。
「朝イチはマダイが浮いていることが多いんだ。だから巻き物が効くときもある」
そういうヨッシー自身が、人気の巻き物であるジャッカル・TGビンビンスイッチ80gを使い、すぐイチロウに続いて1枚目をキャッチ。
「底から1~2mで掛かったヤツがバレたから、落とし直したらすぐ食ってきた。群れてるんだろうね」
幸先のよいスタートだった。
今回は、大原が地元で一つテンヤマダイの経験も豊富なソウイチロウこと、高橋蒼一郎がE2F取材班として参加している。
ライター・タカハシゴーの息子だが、釣りはうまい。
永遠の初心者の血を引いているのか疑いたくなるほど……バシッ!合わせた。
釣った。
ソウイチロウの1枚目は1.2kgの良型だった。
釣り開始から25分後の出来事だったが、彼なりに試行錯誤をしていたようだ。
「大原ではどの船長さんも『テンヤは底から1~2m浮かせて』と言う。
実際に釣っていても、そのとおりなんだ。
でも今日は浮いたところであまりアタリが出ず、魚が少ない感じがした。だから底付近を狙ってみたら食ってきたよ」……という実に有益な情報を教えてくれたのは、釣りを終えて数日がたってからだった。
現場では1.2kgを上げてニコニコするばかりで、多くを語らない。
この時点で「底にマダイあり」を見抜いていたのは、恐らくソウイチロウだけだった。
まだ朝は早く、底から浮いているマダイも少なからずいたのだ。
ジグのイチロウが2連発を決めて計3枚。
一つテンヤでタカハシゴーがようやく1枚目を釣ったのは、釣り開始から40分後。
ほぼ同じタイミングで、ヨッシーがTGビンビンスイッチで1枚追加する。
一つテンヤの高橋親子がポツポツとしか釣らない中、巻き物のヨッシーとイチロウは連発と言っていいヒット率だった。
いずれにしても、幸先のよいスタート……のはずだった。
![釣行の写真]()
▲ ジグとタイラバで8枚をキャッチ
出典:
土砂降りの雨のち晴れ台風の影響で不安定な空模様
台風10号は彼方にある。
天気予報も曇り時どき晴れだったが、沖から厚い雲が流れてきた。
「ん?あの雲あやしくね?」と思う間もなく、新幸丸は激しい土砂降りに見舞われた。
ひさしのある船尾に退避したり、そそくさとレインウエアを着用したりするE2F取材班だったが、雨は容赦ない。
イチロウだけは何も対策せず、全身ズブ濡れだ。
レインウエアを着るぐらいなら、ズブ濡れを選ぶ。
こだわり派なのだ。
幸い、発雷はない。
ところどころ雲も切れている。
安全を確認し、強雨の中で釣りは続いた。
だが、マダイの反応は一変していた。
巻き物へのアタリが激減したのである。
「雨の影響というより、日が昇ったからじゃないかな」と、ヨッシー。
まさに機を見るに敏。
雨が上がり本格的に釣りが再開され、「巻き物期待薄」と見るやTGビンビンスイッチから一つテンヤに変更し、続けざまにマダイを3枚追加した。
釣り開始から1時間足らず。
強雨による中断がありながらも、巻き物で2枚、そして一つテンヤで3枚と、早くも5枚のマダイを釣ったヨッシーである。
一方、レインウエアは徹底的に着ず、マダイは徹底的に巻きで攻めるこだわり派のイチロウは、朝イチの3枚止まりだ。
「日が昇ってからジグにもショートバイトはあるんですよ。でも、ハリ掛かりしないですね〜。いよいよ面白くなってきた。ここからどう攻略するか、ですよ。ハハハ」と高笑いしている。
これぞマダイ釣りのだいご味だ。
エサを使う一つテンヤ、巻きのジグやタイラバと、異なる釣趣で楽しめる。
時間がたつにつれて、一つテンヤ有利、巻き物不利の形勢が如実になっていった。
7時半には、ヨッシーとソウイチロウが6枚、タカハシゴーが5枚、巻きのイチロウが4枚だった。
さらに1時間後の8時半、巻きのイチロウが1枚追加の5枚にとどまっていたのに対しヨッシー8枚、ソウイチロウ9枚、タカハシゴー6枚に。
釣法の差と腕の差、その両方があからさまになってきた。
だが、ここからの30分で怒濤の快進撃を見せたのは、なんとタカハシゴーだった。
![釣行の写真]()
▲カジメの上にいるマダイをイメージして底上1mを探るとこのとおり
出典:
ツ抜けリーチはなんと3人ハワイ旅行はだれの手に!?
ヒットを連発するタカハシゴーの頭の中は、はてなマークだらけだった。
なぜ自分にばかりマダイが食ってくるのか、皆目見当がつかなかったのだ。
だが、隣の釣り座のヨッシーが、すべてを見抜いていた。
「大原での一つテンヤの基本は底を切って1~2m上を狙うこと。そこから竿を大きくシャクリ上げて、フワッとテンヤをフォールさせるとマダイが食ってくる。アタリの出方は色いろだ。明確にククッと引くこともあれば、モワッとしたわずかな違和感の場合もある。でも、どんなアタリでも即合わせするのがセオリーなんだ。ゴーさんの釣り方はそうじゃなかった。誘いはほとんどせずにネチネチと底を攻めて、アタリを出す。そしてアタリがあっても合わせない(笑)」
「いや、合わせてるよ」と、タカハシゴーが口を尖とがらせる。
「いやいや合わせてないって。もしかしたらゴーさんとしては合わせてるつもりかもしれないけど、遅いし弱いしで合わせになってないんだ(笑)。でも、今回に限ってはそれがいいんだと思う。合わせないから、マダイが安心してエサをかじる。そしてエサを持っていこうとすると、大きめのアタリが出る。そこまで待って合わせると、初めてハリ掛かりするんだ。ゴーさんが偶然見つけた、ちょっと特殊なパターンだね」
この日の大原沖はほどよく潮が流れ、船の向きによって道糸が払い出すか、切れ込むか、どちらかだった。
道糸が斜めになった状態でテンヤが底を切ると、どれぐらい浮いているか分からなくなるのがタカハシゴーである。
だから底を攻めるしかなかった。
そして、もともと合わせは遅く弱い。
すべて偶然の産物だった。
ついにタカハシゴーが9枚目を上げ、ヨッシー、ソウイチロウ、そしてタカハシゴーの3名が横一線となった。
緊迫の勝負。
船長から「最初にツ抜けした人には、ハワイ旅行プレゼント!」と、ジョークが飛んだ。
空はすっかり晴れ上がっている。
最初に10枚目を掛けたのは、タカハシゴーだった。
しかし緊張から海面バラシ……。
そして流し変えた直後にソウイチロウにヒット!
ツ抜け一番乗りかと思われたが、まさかのハナダイでノーカウント。
そのすぐ後に「ンッ!」と声をあげたのは、なんとタカハシゴーだった。
「一応、ね」と笑いながら大地船長が差し出してくれたネットに収まったのは、れっきとしたマダイである。
ツ抜け勝負は、まさかのタカハシゴーに軍配が上がった。
「こういう日もあるんだねぇ。日によって、釣れるパターンがガラッと変わることもあるのが一つテンヤ。諦めず、しぶとく、パターンを探るといいよ。そして釣れてる人がいたら、素直にその人のマネをすること。それが釣果をのばす一番のコツかな」と船長が笑った。
異例のタカハシゴー釣法は、終始有効だった。
11時の沖揚がりを迎えたときタカハシゴーのマネをしたヨッシーが16枚でトップ、無意識のうちにパターンを見つけてしまったタカハシゴーが15枚で2番手、その父のマネをするまでもなく早々から、そして黙々と底を狙っていたソウイチロウが14枚で3番手だった。
そして……。
イチロウは、巻き切った。
一つテンヤ勢がバシバシと釣りまくる中、ジグとタイラバで自分の釣りを押し通したのである。
結果は8枚だったが、ニコニコしている。
船が港に戻るころ、ズブ濡れだったイチロウの服はすっかり乾いていた。
結局、始めも終わりも気持ちいい。
そういう半日だった。
![釣行の写真]()
▲仕掛けを回収しているとシイラが食ってきた
出典:
ヨッシーのメモリアルショット
港に帰ってきてヨッシーが「昼飯どうする、バミる?」とタカハシゴーに聞いている一コマ。
「バミる」とはバーミヤンで食事をすること。
ヨッシーはバーミヤンがお気に入りでメニューも決まっていて、「レタスチャーハン&醤油小ラーメンセット」をいつも注文している。
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隔週刊つり情報(2024年10月1号)※無断複製・転載禁止