良型メバルがズラズラ！ 富岡沖は根魚パラダイス

良型メバルを主体に多彩なゲスト交じりで賑やかな釣りを楽しめるのが福島県富岡港・正栄丸のメバル五目だ。

仕掛けはメバル用フラッシャーサビキの4～8本バリでオモリ50号。

ハリにサバの切り身エサなどを付けてメバルを狙っていく。

メバル仕掛けの下にヒラメ仕掛けを連結し、冷凍イワシを付ければソイも狙えるし、オモリにハリス付きのカレイバリなどを結び、アオイソメエサを使えばカレイやホウボウなども釣れる。

釣り場は富岡沖の水深20～40m前後。

メバルは25～30cm級の良型主体にトップ30尾以上と好調。

いい群れに当たるとズラズラと多点掛けで釣れ上がってくる。

当地のメバル五目は６6月一杯まで楽しめるとのこと。

東京から約3時間で根魚パラダイスが待ってます！　

付けエサは各自持参となる。

メバル用はサバの切り身、イカの切り身ほか、船長のおすすめはホタルイカ。

メバルやソイ用は冷凍イワシ。

そのほかにカレイやホウボウ、アイナメなどを狙いたいならアオイソメがおすすめ。

船長によるとメバルは食いがいいエサを見つけることが数釣りにつながるとのことなので、色いろ試してみたい。

東北地方のメバルは沿岸の浅場から沖合まで多様な種類がいるが、初夏の福島県で好期を迎えるのがメバルとオキメバル。

オキメバルは正式な魚名ではなく通称で、一般的には標準和名の「ウスメバル」と「トゴットメバル」の2種が中心。

オキメバルの"オキ"とは沖の意味で、沿岸の浅場に生息するメバル(標準和名シロメバル、クロメバル、アカメバルの３種)よりも比較的沖合の深みを好むことから、この名がある。

釣り場にもよるが、オキメバルはおよそ水深100～150m付近に生息するとされるが、福島県富岡沖では水深20～40m付近のメバルと同じ海域でよく釣れる。

取材した福島県富岡港の正栄丸では「メバル五目」の看板で出船しており、富岡沖の水深20～40m前後の根周りを中心に探り、20～30cm級のメバルやオキメバルを主体にウッカリカサゴ、通称マゾイ、アイナメ、ホウボウ、ムシガレイ交じりで釣れている。

そこで今回は正栄丸の武山正一船長に教わった当地のメバル五目用のタックルや仕掛け、釣り方などについて紹介しよう。

詳しい釣り方は後述するが、武山船長によれば、よほど食い渋ったときは別として通常は積極的に誘うよりも置き竿にしてジッと待ったほうがアタリは増えるという。

そのため波による上下動を吸収し、仕掛けを安定させることができる胴調子で全長3～3.6mのメバル竿がおすすめとのこと。

釣趣を優先してメバルの小気味いい引きをダイレクトに味わうなら、2m前後のゲームロッドでもOKだ。

リールは小型電動にPE2～3号の道糸を巻いておく。

仕掛けはフラッシャーサビキの4～8本バリで初心者は4本がおすすめ。

仕掛けの全長を竿の長さと同じくらいにするとさばきやすくなりトラブルも少なくなる。

同船のメバル五目はオモリ50号で統一。

付けエサは各自持参となる。

サビキだけでもメバルは釣れるが付けエサがあったほうが食いがいいので、皆さんサバの切り身エサを持参しているとのこと。

付け方は切り身の端の中央にチョン掛けにする。

「メバル仕掛けの下にヒラメ仕掛けを連結させ、冷凍イワシを付けるとメバルのほかにマゾイやカサゴなども釣れますよ。常連の皆さんはこの仕掛けで楽しんでいます」と船長。

ほかにもオモリにハリス付きのカレイバリなどを結び、アオイソメを付けてカレイやアイナメ、ホウボウなどを狙う方もいるという

富岡沖にはそれこそ数え切れないほどメバルのポイントが存在する。

そのため少しでもアタリが遠くなればすぐ移動。

反対にバリバリ食ってもあまり粘らず、乱獲を防ぐため次のポイントへ向かうというようにこまめに移動しながら探っていく。

海底は岩礁帯などもあるが、メインは砂地か砂利底に点在している小さな根を狙う。

メバルもオキメバルも根の周囲に広く群れるのではなく、根のそばに浮いている。

投入合図もその根の真上で出される。

潮が速いときや風が強い日は、投入が遅れると仕掛けが根から離れてしまいチャンスを逃すこともあるため、合図と同時に投入できるよう移動中にしっかり準備をしておこう。

釣り方そのものはいたって簡単。

重要なのはタナで、根魚といってもメバルやオキメバルの群れは意外と浮いており、上バリに食ってくることも珍しくない。

そのため着底後、根掛かりしないよう素早く糸フケを取り1m上げてタナを取り、置き竿にしてアタリを待つ。

ただし起伏のあるポイントを狙うことも多いので、1～2分に一度のペースでタナを取り直すことも大切。

タナが低くなるとベラやフグが掛かってくるので要注意。

アタリがきたら向こう合わせでハリ掛かりするのを待ち、掛かってもすぐに巻き上げずに追い食いを狙うのが釣果をのばすコツ。

しかし軟調長竿を置き竿にすると、掛かった魚が根に潜ろうとすれば竿先が追従して海面に突っ込み、根掛かりすることもある。

そのため最初にハリ掛かりしたらすぐにリールのハンドルをひと巻きして、オモリを根から離してアタリを待つ。

あとは掛かった魚が暴れて仕掛けが踊ると誘いになり追い食いしてくる。

メバルもオキメバルも活性が高いときほどタナも高くなる傾向があるので、次の強いアタリがきたらリールをひと巻きし、さらに次の強いアタリがきたらまたひと巻き、といった具合にハリの数だけ食わせるつもりで上へ上へと巻き上げていく。

重量感が増したところで巻き上げ開始。

仕掛けが上がってきたら、ひとまず魚を船内に引き上げる。

多点掛けの取り込みは、枝スの接続部に指をかけると仕掛けをたぐりやすい。

すべての魚のハリを外してからエサの有無を確認し、付け直す。竿先の手前まで仕掛けを巻き上げ、吹き流しにしてからオモリを軽く放って再投入しよう。

メバルを主体にソイやアイナメ、ホウボウなど色いろな魚種が釣れるメバル五目が好調と聞き5月18日、福島県富岡港の正栄丸を訪れた。

当日の乗船客は常連さん5名、左舷3名、右舷2名に分かれて入り、準備が整ったところで4時45分に出船。

20分ほどで富岡沖のポイントに到着。

「水深は25mです。やってください。どうぞ！」の合図でスタート。

仕掛けを投入し、着底したら底から1mオモリを持ち上げて置き竿にしてアタリを待つ。

1投目から右トモの高橋さんにアタリ。

リールのハンドルをひと巻きして追い食いを狙うと竿先がガシャガシャと激しくたたかれる。

さらにもうひと巻きすると竿先の激しさが増す。

これを数回繰り返してから巻き上げ開始。

6本バリの仕掛けをたぐるとズラズラとメバルが上がってきて5点掛けを披露。

続いて竿を大きく曲げたのは左ミヨシの若狭さん。

1尾目が掛かったのを確認すると電動リールの巻き上げ速度を7にしてゆっくり巻き上げる。

竿先が何度も海面に突っ込んでから、竿を手に持つと長竿が大きな弧を描く。

中速で巻き上げるとズラズラとメバルが上がってきて25～30cm級の6点掛けだった。

左胴の間の野口さんは30cm級のメバルを一荷釣り。

魚影の濃さはもちろん、何より驚きなのがメバルの大きさ。

このサイズばかりそろう釣り場はそうないだろう。

日が高くなると潮が止まり、メバルの食いも落ち着き、アタリが遠くなってきた。

しばらくして左トモの山辺さんに強いアタリ。

慎重に巻き上げて上がってきたのは、一番下のヒラメ仕掛けにハリ掛かりしたウッカリカサゴ。

次の投入では良型のマゾイ。

いずれも冷凍イワシに食ってきた。

右ミヨシの吉田さんはサバの切り身を使っていたが、冷凍イワシ、イカの切り身、アオイソメをクーラーから取り出し、食いのいいエサを探すという。

6本バリにサバの身と交互になるようにイカの切り身を付け、一番下のヒラメ仕掛けに冷凍イワシを、さらにオモリにハリス付きのカレイバリを結び、アオイソメを2～3匹付けて投入した。

するとすぐにアタリ。

追い食いを待ってから巻き上げると、サバの切り身と冷凍イワシにメバル、アオイソメにはホウボウが掛かっていた。

次の投入ではサバの切り身と小型の冷凍イワシを交互に付けてメバルの3点掛け、ヒラメ仕掛けの冷凍イワシにマゾイが食ってきた。


「色いろな付けエサを用意しておき、メバルの食いがいいエサを使うことで数をのばせます」と吉田さん。

その後、メバルの食いが立ってくると、右トモの高橋さんは全部のハリにサバの切り身を付けた6本バリ仕掛けにパーフェクトでオキメバルを食わせた。

やがて皆さんのクーラーも満タンになり、11 時半の沖揚がりを迎えた。

釣果は20～30cmのメバル、オキメバルがトップ30尾以上。

ほかマゾイ、ホウボウ、アイナメ、ムシガレイが交じりなんともにぎやか。

当地のメバル五目は6月一杯まで楽しめるとのこと。

多点掛けのメバル釣りを満喫するな今がチャンス！

福島県富岡港　正栄丸

090・5040・5468

備考＝予約乗合、出船時間は電話確認。電動リール用バッテリー、付けエサ持参