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飯岡沖はオニ&アラ両狙い本命場所は高確率で大型!

隔週刊つり情報編集部

九十九里飯岡~犬吠埼沖は大型のオニカサゴ&アラが周年釣れる近郊随一の超一級ポイントだ。

狙えれば高確率で大型が出るが、本命の釣り場海域は潮が速い日が多いため必ずしもそこで釣りができるとは限らない。

九十九里飯岡港・三次郎丸の滝沢健司船長によると、そんな場所だからこそ場荒れせずに大型が釣れ続いているのだという。

取材日は潮がトロトロと流れる好条件。

朝から2kg前後のアラは多く顔を出すものの、オニカサゴは中型主体。

後半はとっておきのオニポイントを探ったところ2kg弱の良型が連発した。

オニカサゴはエサ釣りに分があるが、アラはルアー釣りが強いそうで、大アラを狙いたい人はスロージギングもおすすめだと船長は言う。

釣行の写真

▲食べごろサイズの2.5kg

エサは各自持参を

三次郎丸のオニカサゴ船では、エサは各自好きなエサを持参する。

定番のサバの切り身のほか小イカの実績が高いそう。

マダイ用のエビエサもオニ、アラともに食っていた。各種用意していこう。

オニカサゴは専用竿や専用仕掛けも発売されるなど比較的メジャーな魚だが、いざ釣りに行こうとなると出船している船は意外と少ない。

そのなかでオニカサゴに周年出船している九十九里飯岡港・三次郎丸は、2kgクラスのオニカサゴや5kg前後のアラが釣れるとあって人気を集めている。

だが、オニカサゴ船を担当する滝沢健司船長によれば、ポイントまで遠く天候に左右されるためいつでも出られるわけではなく、さらに出られたとしても潮が速く釣りにならないことも多いという。

つまり、好条件下で釣りができるのはごく限られた日のみ、ということ。

だからこそ希少な高級魚たちがずっと釣れ続いているともいえるのだ。

「都心から近くて、こんなに大型が狙える場所はそうないですよ。簡単ではありませんが、それを理解した人たちには挑戦してほしいですね」と船長。

ポイントまでは飯岡港から1時間半ほど、片貝海溝のやや北側の海域だ。

水深の変化が大きく近くを黒潮が通ることから激流になることが多い。

潮が速くて釣りにならないというのは、底を取り直そうとしても潮に流されてオモリがいつまでたっても着底しない状態になること。

こうなるとエサがどこにあるかも分からず、オマツリも頻繁になって文字どおり「釣りにならない」のである。

これはポイントに着いてやってみないと分からないそうで、潮が速いときは本命の場所を諦めて潮が緩い場所を狙うという。

ポイント自体は多くあるのでどこかしらでは釣りになるが、本命場所よりはオニカサゴ、アラともにサイズがダウンするそう。

だが、オニカサゴも北上してきており生息域が広がっているとのことだ。

「最近のお客さんはオニカサゴよりもアラを釣りたいって言う人が多いかな」と船長。

アラこそレア度でいけば幻級だが、この海域には大型含めて多く生息する。

とくに大型のアラはジグで狙うのが有利だという。

潮が緩くても食ってくるし、エサではよく掛かるサメがジグには掛からないのが特徴だそう。

今回はエサ釣りを紹介するが、スローピッチジャークジギング(PE1.2~1.5号、ジグ重量300~450g前後使用)のお客さんも歓迎とのこと。

ルアーが有利なことがエサ釣りでの攻略にもヒントがあるのではないかと船長は推測する。

仕掛けは短いものを

竿はオモリ200号に対応したオニカサゴ用、中深場用、アカムツ用など。

リールは中小型電動に道糸はPE3~4号。

手持ちで誘って釣る釣りなので、軽量タックルがおすすめ。

仕掛けは片テンビン式で、全長は1.5~1.6mと短め。

エサを動かして誘うためこの長さにしているという。

全長の長い仕掛けは竿を動かしても伝わらないし、さらにオマツリを頻発して釣りにならないことも多いという。

ハリ数は2本でも3本でもいいが、市販品で長いものは短く詰めて使用するといいだろう。

三次郎丸ではエサは各自好きなものを持参することになっている。

基本となるのはサバやイカの切り身、小イカなど。

取材日はカツオのハラモ、サケ皮、アナゴ、イイダコ、ホタルイカ、エビエサなどを持ち込んでいた。

サバやイカを切り身にする場合は、幅は1.5cm前後、長さは15~20cmにするといいそう。

エサはアピールが重要となり、小さいエサは食いが悪いそうなので、大型を狙いたいなら大きめのエサを使おう。

これらのエサは単体でもいいし、小イカなどと組み合わせてもいい。

切り身系のエサは、端の中央にハリを刺し入れる。

釣れたサバをさばいてエサにするのもおすすめだと船長はいう。

エサを動かして誘う

ポイントの水深は120~150mほど。

根周りメインで狙っているのかと思いきや、フラットな砂地が多いという。

根の中を狙うこともあるが、船長はツブ根などの周りの砂地を狙うのが好きだという。

オニカサゴ狙いはオモリが着底したらオモリをトントンするのが基本。

砂地でオモリをトントンすることで砂煙が舞ってオニカサゴにアピールするのがいいとのことだ。

トントンして少し待ったら竿を持ち上げて止め、ゆっくり落としていく。

底をまめに取り直しながら海底をトレースしていく感じだ。

「生のエサだからといってそのままじっとしていたら食いませんよ。エサでもルアーみたいに動かして食わせてください」と、船長は度たびアナウンスする。

エサ釣りもルアー同様に生きているように演出してやる必要があるわけだ。

スロジギはヒラヒラと落ちていくときにアピールしてヒットしてくることが多い。

エサも同じような動きを演出してやるとアタリが増えるそうなので、「エサを動かす」ということを意識してやろう。

潮がトロリと流れているときが最高条件で釣りやすいが、潮が速いときは仕掛けが流れやすい。

底が取れないからと道糸を伸ばしてばかりだとオマツリするので、やりづらく感じたら一度回収して投入し直す。

オニカサゴのアタリは頑丈なアゴでエサをくわえたときに竿先が引っ張られたような感じのことが多い。

このときに即合わせすると高確率でスッポ抜けしてしまう。

最初のアタリを感じてから少し待ってもう一度強い引き込みを感じたら竿を持ち上げるようにして合わせを入れる。

ここで下にグイグイッと瞬発力のある引き込みを見せたらオニカサゴの可能性が高い。

巻き上げは電動の中速からやや中高速に。

竿を起こした状態にして強く引き込んだら竿でいなしてやる。

あまり時間をかけてもハリ穴が広がりバラす可能性があるので、糸を緩めずに素早く巻き上げていく。

オニカサゴは海底メインだが、アラは海底から2~3m付近を回遊していることが多いそう。

アラがほしい場合は少し上げて誘ってみる。

どちらも狙いたい、という場合はオモリトントンから竿を目一杯上げて仕掛けを海底から2m前後に浮き上がらせるイメージで誘う。

実際の海底は分からないが、底トントンでアラが食うような場合は仕掛けが浮き上がっている可能性もある。

逆に少し上げていてオニカサゴが食う場合は潮が緩い可能性も。

釣りながら海底の状況がある程度判断できる。
 
小さくプルプルするアタリが出ることもある。

小型のユメカサゴの可能性が高いが、これが掛かったらすぐに回収しないでそのまま誘いを続ける。

大型のオニカサゴやアラはユメカサゴに食ってくることも多く、この日もアラが食ってきた。

オニカサゴは海面まで断続的に引くことで判断できる。

アラの場合は途中からエアをためて軽くなり、海面近くで泡が浮いてくることが多い。

いずれも大型の場合はタモ入れしてもらう。

オニカサゴ、アラともにエラブタや背ビレのトゲに毒があるので注意を。

うまく両魚ともゲットして、抜群の食味を楽しんでほしい。

オニカサゴ&アラの共演高級魚が一度に狙える!

九十九里飯岡港・三次郎丸のオニカサゴ船はマニアには知られた人気メニューで、取材日の1月13日は早くに予約受付が終了していた。

早朝4時半に集合するとほどなくして出船。

ポイントまではゆっくり走って1時間半ほどで到着するという。

この日は予報もよく絶好のオニカサゴ釣り日和になりそうだった。

ポイントに到着するまで滝沢健司船長に色いろと話をうかがったが、船長がとにかく強調するのは「潮が速いかどうか」ということだった。

20年ほど狙っているが、この釣りだけは行ってみないと潮具合が分からないのだという。

ただし、ポイントまでの航程は、目標の座標と実際の船の航跡にあまりズレがないことから潮の流れは緩い。

もしかしたらいいかも!とうれしい言葉を聞いてポイントに到着する。

「潮は大丈夫ですね。ちょうどいいくらいに流れています」

船長の言葉に一同安心する。

水深140mほどのポイントでスタート。

誘ってエサを動かさないと食わないよ、とアナウンスがある。

開始からバリバリ、とはいかないが、最初に上がったのは40cm級のアラだった。

そのあとはカンコ、中型のオニカサゴと続くが、この海域からしたら物足りないサイズだ。

開始から1時間ほどして右舷の女性の竿が強くたたかれた。

オニじゃないような気がする、と上がってきたのは2kg級のアラだった。

オマツリはたまにあるもののそれほどひどくなく、釣りやすそうな状況だけに大型への期待も高まっていたが、オニ、アラともに中小型のアタリが続く。
 
そんななかでこの日、初挑戦という3人グループの一人が1kg超えのオニカサゴを上げる。

オマツリは増えたが潮の流れがよくなったのか、アタリが増えていく。

ここからは2~3kg級のアラのアタリが続いた。

当日最大の3kgジャストのアラを釣った人は、2連続でサメを掛けて3度目の正直でアラをゲット。

オニカサゴはその合間にポツポツと出るが1kg前後まで。

「今日はオニもアラも大きいのが食わないね」と船長は首をかしげる。

その後はオニ、アラだけでなく、オキメバル、ホウボウ、メダイなどのゲストも顔を出してだんだんと賑やかになっていくが、あとは大型がほしいところ。

船長はそのまま粘れば「大型のアラの可能性がある」というが、「もう1カ所大オニのポイントに行ってみましょう」と移動を決断する。

釣行の写真

▲この日のアラは3kgが最大だったが5~6kgクラスは多いという

ラストに良型連続ヒット

移動したあとも2kg前後のアラが数尾出たが、期待の大オニはなかなか食わずにやはり1kg前後が数尾取り込まれたのみ。

11時の沖揚がりまで残り30分となったとき、右舷胴の間の女性にいいアタリが。

そのちょっと前にも何か大型の魚を掛けたが巻き上げ途中でバレてしまった。

今度はやや慎重に巻き上げているが、重たいだけで引かないという。

だが、姿を見せたのは1.8kgの良型オニカゴだった。

そして直後に、隣の釣り人にいいアタリが。

こちらはオニらしい引きを見せてくれ、上がってきたのはほぼ同サイズのオニカサゴだった。

このチャンスタイムではバタバタとアタリが出て、初挑戦の釣り人が1.5kgクラスを追加した。

どうやらオニの棲み家を通過したようだ。

だれかにアタリがあれば周りもチャンスだと思っていいだろう。

この日、よく食っていたエサはサバとイカのミックスや、テンヤマダイに用いるエビなどだった。

あれこれとエサを考えるのもこの釣りの楽しみの一つだろう。

この日の釣果はオニカサゴは1.8kgまでを0~2尾、アラは3kgまでを0~3尾だった。

ほとんどの人が両方、またはいずれかをゲットしており、飯岡沖のポテンシャルの高さをうかがい知ることができた。

今回は満船で竿を出すのはかなわなかったが、近いうちに挑戦したいと思える取材となった。

釣行の写真

▲アラはどこでも食ってきた

釣行の写真

▲ラストに大型メダイも

船宿INFORMATION

九十九里飯岡港 三次郎丸

0479・57・3371

▼備考=予約乗合、4時半集合。

ほかヒラメ、マダイへも

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