南房江見周辺では早朝の暗い時間帯にムツを狙ってから各種釣り物へ移行するリレー釣りが人気。
江見太夫崎の渡辺丸から出船した取材日は、オニカサゴとのリレー釣りを楽しんだ。
ムツの釣り場は鴨川沖の水深90~100m前後、オニカサゴは同じく水深100~150m前後。
オモリはともに150号なので同一タックルで対応できるのも手軽でいい。
![釣り場の写真]()
釣り場はいずれも鴨川沖で、水深は90~150m前後
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![釣行の写真]()
ムツは周年狙える南房の人気ターゲット
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ムツ&オニカサゴのタックル&仕掛け
竿はムツ、オニカサゴともにオモリ150号が背負える中深場竿などで大丈夫。
水深はそれほど深くないのでリールは小型電動にPE3~4号の道糸が300mも巻いてあればいい。
仕掛けはムツはフラッシャーサビキ、オニカサゴはテンビン仕掛けで狙う。
なお、オニカサゴ用の付けエサは持参となるのでお忘れなく。
海の黒ダイヤとたとえられるほどクロムツ(ムツ)は希少価値が高くうまい魚だ。
日中は水深300mほどの深海に生息しているので釣るにはそれなりの道具立てが必要だが、夜になるとエサを求めて水深80m前後の浅場に群れをなして上がってくる場所がある。
今回訪れた鴨川沖もそういうエリアの一つで、日が昇る前に浅い水深でクロムツを狙うことができる。
単発ながら3連チャン
そのクロムツと季節の釣り物とのリレー釣りで出船しているのが南房江見太夫崎の渡辺丸。
今回はオニカサゴとのリレー釣りで2時半過ぎに10名で出船となった。
3時にポイントの鴨川沖に到着すると、「水深は90m。反応は底ベッタリだから海底から5mまで誘って」と渡辺英雄船長から開始の合図が出される。
海底は根もある場所だけに、着底したら素早く底を切った後にジリジリとデッドスローでタナの範囲をリサーチするか、ゆっくりと誘い上げたらストップして食う間を与えつつ1m間隔で誘い上げてくるかの2パターンが基本的な釣り方になる。
なお、タナの上限まできたらリールのスプールを親指で押さえてサミングしながら落とし直したほうが誘いになるし、オマツリ防止にもなる。
アタったときのNG行為は、あおるような合わせを入れること。
クロムツの歯に当たってハリス切れになったり、アタリがあった地点で追い食いを狙ってもクロムツが上下左右に暴れるのでこちらもハリス切れのリスクがある。
アタリがあったら軽く合わせを入れタナの上限までスローで巻き上げた後に電動の中速で巻き上げるのが鉄則だ。
また、取り込みの際に注意したいのは、仕掛けを緩ませないこと。
口の横にハリが掛かっていた場合にはハリ穴が広がっているとバラす可能性がある。
期待の1投目は船内ノーヒットで潮回り。
そして流し直しの2投目、左舷ミヨシの八木さんにヒット。
28cmのクロムツを抜き上げる。
次に魚信をとらえたのも八木さんで同級を釣り上げると、「反応が上がってきました。底から10mまで探って」と船長。
タナが上がってきたのはクロムツの活性が高まった証で、船内でバタバタとクロムツが取り込まれ始めた。
ムツ釣りは初挑戦と話していた渡辺さんご夫婦にもクロムツはもれなくヒット。
しかし、慣れていないので8本バリの仕掛けをうまくさばけずに奥さんの久美さんの仕掛けはグチャグチャ。
それを見た常連さんが手早く5本バリ仕掛けに作り替えてあげると、その後はトラブルなくクロムツを釣ることができたようだ。
しかし単発ばかりでサイズもやや小ぶりが目立つ。
「今日は食いが悪いや。いつもは40cmクラスもくるのに」と船長はボヤいていたが、潮の流れがほとんどなく、あまり好ましい潮具合でないのも一因だろう。
夜明けまで30分となったところで私も釣りに参加。
着底を確認して1mほど底を切った後にゆっくり誘い上げると、ガツガツと派手なクロムツ特有の魚信がきたが巻き上げ中に痛恨のバラシ。
それでも次からも同様の誘い方でクロムツは食ってきていたが、単発ながら3尾を手にしたところで日が昇り、パッタリとアタリが止まってしまう。
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クロムツは明るくなると食いが悪くなってしまう
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知っ得! 生ごみの匂い対策
魚をさばいた後に出る内臓などの生ごみは暑い時期だと2日も置いておくと猛烈に異臭を発してしまう。
そこでジッパー付きポリ袋に入れて漂白剤を注ぎ、冷凍庫で凍らせてしまう。
これでゴミ回収日までの悪臭対策になる。
後半はオニカサゴ狙い
4時半になると南下してエサのサバ釣りをしてから小移動、5時半に仕掛けを替えてオニカサゴ釣りとなった。
水深は105mという船長。
「えっ?そんなに浅いの」と聞くと、先日行った水深140mラインは大型が出る本命ポイントだが、底潮が暗く潮も流れていなかったためミズフグとツノザメの猛攻にあってしまった。そこで今日は浅場をリサーチするとのこと。
オニカサゴの付けエサは各自持参となっているので、釣ったサバの切り身と思い思いに持ち込んだエサを付けたら船長の合図とともに投入。
だが最初に出迎えてくれたのはアカイサキやアヤメカサゴとリリースサイズのオニカサゴが数尾。
私にも20cmほどのオニカサゴが釣れたのだが「大きくなったらまたおいで」とお帰りいただいた。
船長は水深130mラインも攻めたが、嫌われ者のツノザメが果敢にアタックしてくる。
どうやら底潮の状況はまだ改善されていない模様だ。
それからはあちらこちらのポイントを転戦して左舷ミヨシの八木さんが600g、1kgとオニカサゴを連釣した。
右舷胴の間のお客さんにも600gほどのオニカサゴが掛かったので写真撮りに向かったのだが、トゲを指先に刺す失態を犯してしまう。
急いで血を絞り出していると船長が熱湯に浸したタオルを渡してくれた。
患部に当てていたら痛みはほどなくして薄れてきた。
釣れ具合はその後もなかなか好転しなかったが、沖揚がり間近に良型のキダイやキープサイズのオニカサゴが2尾とカンコも上がったことから船長は30分延長してくれて、9時に沖揚がりとなった。
当日は潮が流れずに25~30cmのクロムツが一人5~12尾、0.6~1kgのオニカサゴが0~3尾と振るわなかったが、潮具合が改善されれば両魚種とも型も数も期待できると思われる。
![釣行の写真]()
この日は小ぶりが多かったが40cm級も釣れるとか
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オニカサゴは潮次第で今後も期待十分
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Tackle Guide
クロムツもオニカサゴも同じタックルで兼用できる。
オモリは両方とも150号なので竿は80号負荷の7:3~8:2調子がおすすめ。
フラッシャーは8本バリなのでマグネット板があると便利。
なければ船でも借りられる。
クロムツ用のフラッシャーサビキは渡辺丸のオリジナルを使ったほうが安定した釣果が見込める。
オニカサゴのエサにするためのサバ釣りもするが、ほかにも特エサを用意しておくと安心。
船宿information
南房江見太夫崎 渡辺丸
080・5497・0390
▼備考=出船2時半、沖揚がり8時半。付けエサは持参。無料駐車場あり
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隔週刊つり情報(2024年10月1号)※無断複製・転載禁止