深場釣りの盛んな九十九里片貝だが、同港の二三丸ではオモリ200号を使ったライトタックルのキンメ釣りで出船して人気を集めている。
深場釣りというと何かとハードルの高いイメージだが、フラッシャーサビキを使うのでエサ付けいらず、タックルもヤリイカ用などで代用できるので深場釣り入門としてもおすすめ。
釣り場は航程約2時間の片貝海底谷。
キンメが深場へ落ちる前の時間帯に狙うため水深は300m以内と浅め。
釣果は潮次第になるが、多点掛けを連発して25~40cm前後がトップで30~50枚ほど釣れることもある。
取材日は潮が悪くトップで17枚にとどまったが、最高9点掛けもあるなど深場釣りらしさを楽しむことができた。
![釣行の写真]()
▲いい日はトップで30枚以上釣れることもある
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ライトキンメのタックル&仕掛け
竿はオモリ200号が背負えるヤリイカ竿などでOK。
リールは中小型の電動で、道糸にはPE3~5号を400mは巻いておきたい。
トラブルに備えて予備のリールもあると安心。
仕掛けはサビキが合わないと食いが悪いこともあるので船宿仕掛けの購入がおすすめだ。
![ライトキンメのタックル&仕掛け]()
▲船宿仕掛けは幹糸12号、枝ス8号の10本バリ・マグネット板は持参しよう
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「九十九里片貝の二三丸でキンメが釣れています。これって興味ありませんか?」
編集部からそんな連絡を受けたのは8月下旬。
片貝沖のキンメといえば、ヤリイカとのリレー船でライトキンメがあったと記憶するが、こんな時期に出船してたっけ?
まあまあ、そんなことは現地で聞けばいいや。
というわけで、さっそく出かけることにした。
昨日より潮が速い
乗船したのは8月25日。
集合20分前の午前1時40分に港へ着くと、二三丸の前にはすでに釣り人が集まっていた。
やがて宿のスタッフが到着し、予約者の名前を読み上げては順に釣り座へ案内する。
私も名前を呼ばれて乗船。
昨日も船に乗ったという仲乗り氏にそのときの様子をうかがった。
「この夏の出船は4回あって、それぞれよく釣れています。昨日はトップ29枚、型は25~37cmとまずまず。一番よかったのはお盆明けの19日でトップ52枚、スソでも32枚。今日もナギ予報なので期待できるんじゃないですか」
この日は受付の進行がスムーズだったので2時15分に出船となった。
釣り場までは2時間ほど走るとのことでキャビンにてひと休み。
風は南5mの予報だが、実際にはそれよりも弱い感じ。
おかげで船はさほど揺れずに現地へ到着した。
「では準備してください。初めは水深260mのところから。昨日と違って潮が速そうなので、糸フケを取ったら糸を出さないでそのまま待ってください。船は浅いほうに向かって進みます」
仕掛けはフラッシャーサビキ、オモリは200号。
まだ夜が明けぬ4時半に第1投の合図が告げられ船上からは一斉にオモリが放たれた。
釣り人は両舷とも4人ずつで、それぞれの舷に仲乗り氏が入って竿を出す。
私は右舷ミヨシ氏の横で様子をうかがっていると、「着底しましたが糸は300mも出ましたよ」とミヨシ氏。
船長のアナウンスよりも40mも余分に道糸が出たことになる。
そのミヨシ氏の竿先を見続けるがなかなかアタリは出ない。
途中、竿先を上げた後に下げてみると、「オモリが底に着きません」とポツリ。
どうやら潮が速いためオモリが吹き上がっているようだ。
10分経過。
巻き上げは各自の判断でいいのだが、今だ電動リールのモーター音が聞こえてこない。
「ん、アタったかな」
しばらくしてミヨシ氏が巻き始める。
それに呼応するかのように右舷胴の間の仲乗り氏も巻き始める。
先に仕掛けが上がったのはミヨシ氏で、ハリには見た目35cmくらいのキンメが1枚。
これが船中第1号。
続いたのは仲乗り氏で、こちらは同様の型が3点掛け。
さらに続いたのは左舷大ドモ氏だったが、こちらは圧巻。
ズラズラと取り込まれたのはやはり35cm前後のキンメ5枚。
この日もうまく仕掛けが入った人は多点掛けに恵まれた。
![釣行の写真]()
▲出船は午前2時半と早いが帰港も11時ごろと早い
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![釣行の写真]()
▲このサイズの3点掛けはうれしい
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知っ得!キンメ釣りのタナ取り
小倉船長によれば、条件のいい日のキンメ釣りは実に簡単とか。
オモリを着底させ、そのタナをキープしていればキンメは次つぎにハリ掛かりするとのこと。
その反対となるのが潮の悪いとき。速ければオモリが吹き上がって仕掛けが底付近から離れてしまうし、二枚潮のようなときはオマツリ多発が常となる。
「道糸の向きを見てもらうことが一番なんだけれども、これも慣れないとね」
ビギナー向けのアドバイスとしては、船下に道糸が入っていくような場合は、着底後は道糸を出さないこと。
反対に払い出されるときは底を切らないように道糸を出していっていい。オマツリを避けることも釣果アップのコツとなる。
Tackle Guide
イカ釣り同様のタックルでも十分なのが負える竿、PE4号を400m巻いたリールがあればOK。
仕掛けはフラッシャーサビキ限定(オマツリするので付けエサ使用は不可)で、船宿仕掛けは10本バリ、慣れた人でも12本バリまで。
スピーディーな投入を行うにはマグネット板を用意するといい。
5投目がハイライト
やがて船長から流し変えの合図。
全員巻き上げとなった中でキンメが掛かっていたのは右舷大ドモの女性。
こちらは3枚を取り込んだ。
この後、オマツリ処理に少し時間を費やし、続く2回目の投入は空が明るくなった5時25分。
「270mからだんだん浅くなっていきます」船長の合図で一斉投入。
さて、次はどんな具合やら。
私は先ほど多点掛けした左舷大ドモ氏の釣りを拝見する。
やがてオモリが着底。
大ドモ氏は糸フケを取る。
すると、すぐさま竿先がたたかれた。
「これは着いたね」
どうやら着底とほぼ同時にアタった様子。
その後も何度か竿先がたたかれ、多点掛けは間違いなさそう。
キーパーに掛けたまま竿を上げて重さを確認する大ドモ氏。巻き上げてみると、その仕掛けには9枚が付いていた。
この後、3流し目は釣果なしだったものの、4投目は左舷大ドモ氏が3枚、右舷トモ2番が4枚、左舷ミヨシ氏が1枚とポツポツながらもキンメが上がる。
ただし潮がよほど悪いのか、全員巻き上げの後は毎回オマツリでタイムロスを重ねてしまった。
さて、5投目。
実はこの流しこそが当日のハイライト。
最も数多く掛けたのは右舷大ドモの女性で8枚。
次は右舷ミヨシ氏の4枚。
そして1~2枚ながらも4人ほどがキンメを取り込んだ。
いい日にはこんな感じの取り込みが毎回のように続くそうで、これなら数がのびるのもうなずける。
しかし、残念ながらこの日の後半4流しはいずれも不発に終わってしまい、8時半に沖揚がりとなった。
恨むべきは速い潮。
当日の釣果は1~17枚だったが、潮さえよければ間違いなくこの倍はいけそうな感じだ。
「この夏は沖の潮が緩かったのでキンメを試したところ、結果オーライ。でも、今日は最悪になってしまい残念です」と小倉忠船長。
当船では今後もライトキンメ船を続ける予定とか。
この日、満足に釣れなかった私はもちろん再挑戦するつもりでいる。
![釣行の写真]()
▲好調時は多点掛けを狙ってみたい
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![釣行の写真]()
▲好反応なら着底直後にアタリがくる
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船宿INFORMATION
九十九里片貝港
二三丸
0475・76・9957
▼備考=予約時に集合&出船時刻を確認。
ほかヒラメも受付。
仕掛け、オモリ、レンタル道具あり
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隔週刊つり情報(2024年10月1号)※無断複製・転載禁止