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深海の至宝ベニアコウ ラストチャンスに賭けろ!

隔週刊つり情報編集部

数ある沖釣りターゲットの中で最も深場を攻めるのがベニアコウ。

ポイントの水深が1000mを超えることはザラで、一日の投入回数も6回程度に限られる。

そんな超深海を狙う釣りだから毎回大漁ということは滅多になく、釣れればラッキーとまさにお宝。

だからこそ深場釣りファンはこの最深海ターゲットを求めるのである。

釣り場は関東沿岸の各地にあるが、相模湾でこの釣りを得意とするのが福浦港のよしひさ丸。

今シーズンは模様がやや遅れ気味で、ここへきて釣果が上向いている。

取材日は3~4kg級を船中2尾だったが、数日前には船中8尾の釣果が上がっている。

シーズンは協定で5月一杯と決まっているので残りあと1カ月。

ラストチャンスに期待して深海の至宝を狙ってみよう。

釣行の写真

ポッカリと海面に浮いた真紅の魚体は感動的

ベニアコウの仕掛けとエサ

仕掛けはキンメやアコウと同様の胴つき式だが幹糸40号、枝ス30号、ハリはムツ25号とひと回り大ぶりになる。

エサは各自持参で、スルメイカの切り身をメインにアナゴの半身や小さめのイカの1杯掛けが使われる。

一日の投入回数は6回、ハリ数は10本までと決まっているためほとんどの人が2組の仕掛けを用意、回収したら掛け枠に巻き直して交互に使っている。

遊漁ターゲットとしては最も深い水深域に生息するベニアコウ。

深場釣りでは水深のイメージを東京タワーの高さ(333m)でたとえることがあるが、ベニアコウは水深域東京タワー3塔分、1000mもの深さを狙う究極の深場釣りだ。

私が初めてベニアコウ釣りを経験した40数年前は南房エリアのごく一部の船宿が操業していたのみだったが、現在は相模湾エリアでも狙う遊漁船が増え、タックルの進化もあり、当時と比べればかなり
チャレンジしやすい釣り物となった。

とはいえマニアックな釣り物に変わりはなく、大半が仕立受付なので、私のような単独釣行者にはなかなか釣行機会が得られないのも実情。

そんな中、木曜日と日曜日の限定出船ではあるがベニアコウの乗合船を受け付けているのが相模湾福浦港のよしひさ丸だ。

よしひさ丸では年末12月から翌年5月一杯までの期間でベニアコウ乗合を出船させているが、今シーズンは3月下旬ごろより釣果が上昇。

4月11日には3名で8尾の釣報が届いた。

いよいよ本格シーズン到来か!?

その3日後の日曜日の早朝4時、私を含む6名の釣り人が集合した。

釣行の写真

1尾釣れれば上できのターゲットだ

知っ得! 初挑戦でもチャンスあり!

ハリ数の上限は10本だが、6回の投入を確実にこなすことを最優先に考慮し、仕掛けの扱いに不慣れな人はハリ数を5本くらいに抑えることをすすめる。

仕掛けは太いので、回収時の扱いさえていねいに行えば、掛け枠への巻き戻しも意外に簡単だ。

エサは持参となるが、食い、エサ持ちの安定度ではスルメイカの切り身が一番。

大きめの物を開いて、縦に4~5等分にカット。

アナゴも長さがあってアピール度も高い。

エサ持ちもいいのでスルメイカと併せて用意したいエサだ。

高橋稔船長はとても面倒見がよく、投入時にトラブルを起こしても「待っててあげるから慌てなくていいよ」と優しくサポートしてくれる。

レンタルタックル(5000円)や仕掛け(1000円)も常備されている。何事もやってみることが上達への道。

臆することなくチャレンジしてほしい。

仕掛けは2組でOK

相模湾西部エリアのベニアコウのポイントを知り尽くした船長がこの日向かったポイントは福浦南沖。

釣り場が近づいたところで皆さんエサ付け開始。

エサは各自持参で、スルメイカの切り身やアナゴの半身のほか小さめのスルメやヤリイカを丸ごと1杯掛けで付ける人も。

さらにアピールアップに5号以上の夜光ベイトなども併せ付けたりしてスタンバイOKだ。

深場釣りというと、事前に投入回数分の仕掛けにエサを付けて……といったイメージが浮かぶが、福浦沖のベニアコウ釣りではハリ数は多くても10本まで。

仕掛けは念のため投入回数分(6組)を用意しておきたいが、上がった仕掛けは枝スのヨリを取り、ハリを船ベリに並べながら回収し、次の流しの合間に掛け枠に巻き戻して再使用する。

酷いオマツリさえなければ2組の仕掛けを交互に投入するスタイルが可能で、とりあえず2組の仕掛けにエサを付けておけばOKだ。

「ではやりますよ。1番!」のかけ声でミヨシから投入が開始される。

船が後進されながら順に投入がなされ、ラスト6番、大ドモの私に声がかかったところで3kgの鉄筋オモリを放り込む。

水深は930m。

投入からおよそ15分弱で道糸の出が止まった。

ベニアコウの基本的な釣り方は着底したら糸フケを取る意味でいったん10~20m巻き上げて、再度着底させて船の揺れでオモリが底をたたく程度(1mくらい)に底を切る。

潮向きにもよるが海底は浅くなっていったり、深くなっていったりと変化していくので、こまめな底ダチの取り直しはもちろん、時折10~20mくらい一気に巻き上げて落とし直す「巻き落とし」も有効な誘いとなる。

1流し目は船中アタリなし。

仕掛けを付け替えての2流し目。

やや深くなり980mからのカケ上がりを探ったが、この流しも船中沈黙。

アタリが出たのは3流し目、胴の間のレディアングラー御守さんの竿に。

しかしベニアコウにしては巻き上げ開始からの抵抗が少し元気よ過ぎる。

上がってきたのは残念、黒褐色の深海ザメだった。

釣行の写真

船長の合図でミヨシから順番に投入していく

Tackle Guide

水中ランプ類はアピール効果があり、装着する人も多いが、使用するときは必ず耐水圧1000mのタイプを選ぶこと。

4流し目に本命登場

「ピンポイントに当てられればすぐに食ってくるんだけど、今日は潮が速くて難しいよ」と船長。

少し沖側に移動しての4流し目。

魚探の水深表示は1030m。

しばらくするとミヨシ2番の最所さんの席へ船長が出向き、巻き上げを指示すると竿にはジワリと重
量感が表われる。

30分近くもの巻き上げタイムを得て浮上してきたのは紅色の魚体。

ギャフが打たれ、無事船中に取り込まれた深海の至宝は船長の目測で5.2kg。

一見アコウダイとよく似た様形だが、体色の違いは一目瞭然、アコウ以上の艶やかな紅色だ。

羨望の眼差しが注がれるも、ご本人はアタリに気付かなかったようで苦笑い。

ベニアコウのアタリは比較的明確に出るが、グングンと竿先をたたいたあとは続けて引くことは少ない。

なのでアタリを待っている間は竿先に集中していないとアタリを見逃してしまうこともあるが、この瞬間を船長はしっかり確認していたようだ。

この流しでは3番席の方にもいいアタリがあり、巻き上げ時もズッシリとした重量感が竿に表れていたが、残り500mほどのところで軽くなってしまった。

「あれはいい型だったよ」と船長もガックリ。

5流し目はオモリをズル引きし、新島キンメ釣りのように道糸を送り込んで仕掛けをはわせ気味にもしてみたが、潮の具合かいつもはうるさいソコダラ類のアタリすらない。

6流し目。最後の流しとあって、ここではかなり広い間隔で投入がなされた。

アタリをキャッチしたのはミヨシ1番の高橋さん。

「違うかも!?」と謙遜気味だったが、途中の抵抗から期待感は増すばかり。

巻き上げが止まり、仕掛けをたぐっていくと白っぽい魚影が見えてきた。

海面に近づくにつれ赤みが増し、そして海面に鮮やかな紅色の魚体が浮上!

船中2尾目の本命は船長の目測で4.1kg。

「新調したディープクルーザー(竿)に魂が入りましたよ!」満面の笑みを浮かべる。

12時半までに6流しを終え、6名で2尾なら上々の釣果。

取材直後の出船では7.5kgの大型も上がっている。

オデコ覚悟の釣りではあるが、釣り方そのものはやってみれば意外と簡単。

残す釣期はあと1カ月、超深海のトレジャーハンティングにチャレンジしてはいかがだろう。

釣行の写真

当日は3~4kg級が船中2尾

船宿information

相模湾福浦港 よしひさ丸

0465・63・3884

備考=イサキ・マダイ五目、アマダイ・タチウオリレー乗合も毎日受付

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