ハリセンボンっているじゃない?
芸人のはるか&春奈のソレじゃなくて、フグのハリセンボンのことね。
その名の由来は、ハリが1000本あるからハリセンボンってわけなんだけど、ホントは400本くらいしかないらしい。
まあ、ハリヨンヒャッポンって名前だったら、それはそれでど~かなって思うけどね。
一方こちらは、しっかり1000号分の雑誌を釣り人の皆さんへお届けした『つり情報』。
おかげさまで創刊1000号を迎えることができた(ってオレは社員じゃないけどな)。
ページをペラペラめくってもらえば分かるように色いろ1000号を記念した企画はあるが、オレなりに1000号を祝ってあげたいと思ったわけ。
思えば本誌ライターになって12年。
つり情報に感謝の気持ちなんて伝えたことないけど、ここは一発、大ダイを釣り上げてドドーンと祝いダイ!
といきたいところだが、ヘッポコのオレは一発勝負できる腕前も、大ダイを当てる運も持ち合わせていないから、得意な五目釣りで、なるべくたくさんの魚種、できればおめでたく見える赤い魚を交えた多彩な魚を釣り上げて、華やかな釣魚料理で祝おうともくろんだわけである。
沖釣り探偵〝K〟
釣り人になりすまし、遊漁船で秘密調査を敢行する調査員。
独自の情報網を駆使して難調査を解決・・・予定。
釣りの腕前はヘッポコな永遠の23歳。
監察官〝K〟
カメラマンになりすまし、遊漁船上をふらつく探偵Kのお目付役。
面倒な調査にはノータッチ。
濃厚抹茶ハイとホッピーをこよなく愛するエディター。
基本データ#FILE 01・お祝い料理と魚
古来日本には、晴れの行事を料理や特定の食材で祝う文化がある。
正月には、おせちや雑煮。
桃の節句には、ちらし寿司。
端午の節句には柏餅・・・と、あげればキリがない。
祝い事と魚を結び付ければ、言わずもがなマダイが筆頭格。
大相撲で優勝した力士が大ダイを引っさげるシーンに代表されるように、マダイは祝い事で引く手あまた。
尾頭付きのマダイは、様ざまな祝宴で重宝される。
お食い初めのマダイを狙って釣りへ出かけた人も少なくないはずだ。
ちなみに、お食い初めでは本来、赤ちゃんの頭が早く硬くなりますようにという思いを込め、頭骨の硬いカナガシラを用いるのが正しいという説もある。
また、北日本ではサケ、西日本ではサワラ、北陸ではブリが珍重される地域があるなど、祝いの魚や料理の種類は地方によっても様ざまだ。
もくろみどおりの7目釣りを達成
五目釣りするならココでしょってんで、車を走らせたのは南房江見港の新栄丸。
この日は3人のお客さん&いつもの監察官Kと一緒に出船。
江見沖の根周りや定置網周り、水深50~60mのポイントを攻めた。
武ノ内船長から終始アナウンスがあるので、狙い方や場面ごとのターゲットに迷うことはない。
まずはハナダイ狙いとのことで、オレは3本バリ仕掛けのすべてのハリにオキアミを付けて投入した。
すると、さっそくキュキューンとハナダイがヒットして、2投目には2点掛け。
2流しで4枚のハナダイをゲットした。
しめしめ、朝からめでタイってもんだ。
江見沖の水深30~60mを中心に狙う
出典:
この日はハナダイ狙いからスタートした
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少しポイント移動して、今度はイサキ狙い。
枝バリはカラーバリのままにして、先バリだけオキアミを付けて投入する。
すると、これまた狙いどおりにイサキがヒット。
2~3点掛けを連発して、あっという間にツ抜け達成。
シマが消えた良型の引きは、ハリスが切れちゃうんじゃないかとヒヤヒヤするほどだったぜ。
「水深35mくらいにいい反応が出てますよ~」と船長が知らせてくれた場面のこと。
今度は明らかにイサキではない強い引きがやってきた。
少しドラグを緩めてていねいに巻き上げると、これが良型のチカメキントキ。
やったぜ、祝いの膳にピッタリな魚じゃ~ん!!
イサキは多点掛けで連発
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長めのハリスのほうがイサキの食いはいいとか
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30㎝を超える良型も多い
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イサキの釣果はあっという間に20尾を超えたので、イサキはもう十分と底物狙いにシフト。
自作の仕掛けに冷凍イワシやサバの切り身を付けて、底上3m付近を狙ってみる。
すると、もくろみどおりにおいしい根魚たちがヒット!!
カサゴにマハタにホウボウと、白身魚のオンパレード。
なんだなんだ、オレにしてはデキすぎなんじゃね~の!?
こうして25~30㎝前後のイサキ20尾(持ち帰らない分はリリース)、ハナダイ4枚、マハタ2尾、カサゴ2尾、ホウボウ、トゴットメバル、チカメキントキと合計7種のおいしい魚をキープ。
祝いの魚を釣るべく挑んだ五目釣りは、大成功を収めたのだった。
実はマハタを釣りたかったという人も多い
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狙いどおりにマハタをゲット
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このカサゴはテンビン仕掛けで釣った
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当日のマハタは1㎏未満にとどまったが、2~3㎏級の良型も顔を出す
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基本データ#FILE 02・新栄丸の五目釣り
南房江見港の新栄丸はイサキ、ハナダイ、青物を主体に四季折々の魚を釣らせてくれる関東屈指の五目釣り船宿。
60号のプラビシとアミコマセを使用したコマセシャクリ釣りをベースに胴つき仕掛けで根魚を狙ったり、泳がせ仕掛けでヒラメやマハタを狙ったり、周りの釣り人に迷惑をかけなければ、好みの釣り方で楽しめる。
本誌発売ごろからはイサキとマダイがメインターゲット。
ひとしきりイサキなどをコマセシャクリ釣りで釣ってから、太さ3~4号、長さ6mの長ハリスでマダイを狙うというのがオーソドックスな楽しみ方。
ポイントによってはヒラメやマハタも期待できるので、小アジやイワシが釣れたら、それを生きエサに泳がせてみるのもいい。
(左上)新栄丸は周年イサキを主体にした五目釣りで出船(右上)たくさん釣りたい人には船宿仕掛けが船長のイチおし。イサキ仕掛けはカラーチヌ2号が基本(左下)コマセカゴはFLサイズでオモリ60号(中・右下)オキアミエサは必須。冷凍イワシやバイオベイトとともに朝の受付時に購入できる。サバの切り身は持参
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新栄丸の五目釣り仕掛け例
【今回の調査結果】狙いどおりに多彩な魚を釣り上げ1000号を祝う釣魚料理が完成!
持ち合わせた精一杯な技量と目一杯の思いを込めて、祝いの釣魚料理を作った。
釣り上げた新鮮な魚でお祝いするなら、やっぱり生でしょ!
てんで、オレが作ったのは「釣魚七種の握り寿司」、「釣魚五種のばらちらし」、「釣魚五種のお造り」の3品。
うまそうにできてますか?祝い料理っぽくなってますか?つり情報編集部スタッフは、どれが食べたかったかな?ってことで、撮影終了後はわが家とお隣さんで勝手にお祝い&おいしくいただきました。
奇しくも探偵Kジュニアの小学校卒業式と料理撮影日が重なったこの日。
「どれもおいしかったけど握り寿司が一番うれしかったな」とジュニアが喜んでくれた。
めでたしめでたしである。
(上)釣魚五種のお造り・見栄えのいいチカメキントキとホウボウの尾頭を飾り、ダイコンのツマを敷いてお造りを盛りつけ。シソの葉と実、ベニダテ、ミョウガなどをあしらって華やかに仕上げた。(左下)釣魚五種のばらちらし・いちいちしょう油に付けながら食べなくて済むように、魚はすべて漬けに。酢飯の上には刻み海苔を敷きつめ、卵焼きとキュウリをサイの目状に切って散らし、とびっこをあしらった。(右下)釣魚七種の握り寿司・ハナダイは酢じめや湯霜、イサキは炙りにも。チカメキントキには肝も添えてみた。米3合に対して酢60cc、 三温糖大さじ3、塩大さじ1が探偵Kの寿司酢レシピ。
出典:
探偵”K”の報告書
晴れの日を祝う有名な郷土料理に高知の皿鉢(さわち)料理がある。
皿鉢料理は、刺身の盛り合わせの「なま」と煮物や焼き物などを盛り込んだ「組み物」、姿寿司や巻き寿司が並ぶ「寿司」の三皿で構成される。
皿鉢料理に見るように、新鮮な魚が手に入る町の祝いの膳には、寿司や刺身が並ぶことが多いようだ。
読者の皆さんが晴れの日を迎えるときは、ぜひ釣ってきた新鮮な魚を寿司や刺身にして祝っていただきたい。
今回、探偵が作った「ばらちらし」の歴史は非常に浅く、近年生まれた江戸前ちらし寿司だそうな。
古くから西日本で作られている「ばら寿司」や桃の節句の「ちらし寿司」を合体させた造語と思われ、宝石を散らしたような盛りつけが特徴。
刺身を漬けにして作るのは探偵Kの自己流だが、家庭料理なのだから、そんなアレンジがあってもいいはずだ。
最後に、本誌関係者の皆様、創刊1000号、おめでとうございます。
一ライターとしてではなく、一釣り人として、つり情報の末長い発行を願っています。
祝事を釣魚でもてなせるのは釣り人ならでは
出典:
ダイジェスト動画も公開中
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隔週刊つり情報(2020年5月1日号)※無断複製・転載禁止